カンボジアの伝統工芸シルクの復興に向けて取り組むNGO
NGO working towards the recovery of silk cultures of Comabodia
1概要
どんな団体?
みなさんシルク(絹)がなにでできているかご存知ですか?
実は、蚕(かいこ)という虫の繭を製糸して作っているのです!
このNGOでは、シルクができるまでのすべての行程を行っています。 それはすなわち、蚕の餌となる桑(くわ)を育て、蚕を育て、繭から生糸を作り、染めて織って製品にするところまで。想像するだけで気の遠くなるようなプロセスを、こちらではすべて人間の手で、自然のものを使って行っています。
「黄金の糸を吐くカンボジアの蚕「カンボウジュ」、その命を頂いて、私たちは「心のこもった」布を作り続けています。」そうNGOの職員の方はおっしゃいます。
桑畑を耕す担当、木や根を煮出して染め剤をつくる担当、蚕の世話をする担当。たくさんの人が関わってひとつの織物ができています。
まるでひとつの村
NGOの敷地内はまるで森のように木々がたくさんあります。今では職人となった農村部女性やその家族がひとつの村のように暮らしています。 伝統工芸シルクの復興は、織物の復興だけを意味するのではなく、職人の育成や、職人が暮らす自然環境をも復活させてはじめて成し遂げられるという強い信念のもと活動を行っています。
「彼女達が幸せに暮らせる環境を作ることが、今の僕の仕事でもあるのかな」、そう創立者の方はおっしゃいました。
はじめは東京ドーム1つ分ほどの荒れ地だった場所が、今では5倍ほどの大きさの村になり、150人もの人々の生活を支えています。
信念
団体の方がおっしゃっていた、シルクを作る上での信念。
“当団体は全て自然のものを使い、全ての工程が「手仕事」。
シルクを扱う彼女達の手はとても美しく、繊細な作業もその手の「記憶」と「感覚」でこなしてしまいます。「記憶」と「感覚」だから彼女達にはマニュアルはありません。
「マニュアルがあることで、それに近づけようと努力はするけど、それ以上にはならない」それは物作りをする我々にとって、とても大切なこと。マニュアルが無いからこそ、その時々の最高のものを作ることが出来る。同じ柄の絣を作っても、その時の作り手の感情一つで、出来上がった作品の表情が違います。”
2現地の様子
いろいろな仕事が行われています!
広大な敷地内の畑やモリンガ畑、綿花畑など様々な畑のお世話。
綿花畑からとれた綿を紡いで、布作り。
森で育つおいしいマンゴーを収穫したり。
また、最近では新しく栄養価が高いと注目されるモリンガやハーブの栽培をして、お茶にしています。
色々な活動がありますが、すべてに共通していることは自然とともに行っているということ。大量生産や化学繊維では生み出せない美しい自然の色合いや光沢をもった布が、心を込めてつくられています。
蚕祭り
毎年3月の満月近く、蚕祭りがとりおこなわれます。
蚕の命をいただいて、シルクは作られています。そのため、蚕の供養を行うのです。
前夜祭では、村でつくられたシルクをまとった作り手と子どもたちによるファッションショーも執り行われ、毎年盛大なお祭りです。
活動の様子
訪問時には、NGO職員の方のお話しをまず聞いていただきます。信念、なぜこのような活動を行っているのか…その後、村全体を視察していただきます。日本人が中心になって作った村ながら日本とは全くかけはなれていて、感じることもとても多いと思います。
3現地からの声
3参加者の声
“自分を見直すことができる良い場所になった”
“職人さんたちがみんな楽しそうに働いている様子がよかったです。”
“「伝統は守るのではなく創る」という意識のもと、高い技術を引き継ぎより良いものにしようとしているのが分かった。”
“私は大学で、子どものためや女性のためについて学んでいて、シルクファーム工房は、子どもが一緒について来てて、これが女性が働きやすい形だと感じた。”
“子どもや女性の幸福とは何かや生き方を考えさせられました。”
“1つ1つに心をこめることがとても大切だと感じた”