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国際協力用語集ワード詳細

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貧困の悪循環
Cycle of Poverty

貧困の世代が三代異常続き、貧困状態の罠に陥るという意味を指した言葉です。

貧困の悪循環とは経済学の用語であり、具体的にはその貧困の世代が三代異常続き、貧困状態の罠に陥るという意味を指した言葉です。例えば貧困にあえぐ国やその世帯は、その貧困が元となりより一層困窮し貧困化することがこの言葉では指摘されています。そしてこれらの貧困国とされる国々は、資本蓄積が不十分であり、その資金を投資などに回すことは不可能であり、基本的に社会を支えていく生産力などを拡大することができません。また全体的に社会が貧しいために、その国の消費者となる購買者も存在しておらず、市場が未発達なために経済が刺激され、金融の好循環なども発生しない状態に陥っています。

これらの貧困の悪循環は、いわゆる貧困国と呼ばれる発展途上国のみの話にはとどまらず、日本のような先進国でも十分に起こりえる状態と言われています。具体的な例を取ってみれば、生活保護世帯で生まれた子供の四割、つまり25%の生活保護世帯の出身者が生活保護の経験があり、生活保護世帯の子供が成人しても、再び生活保護を受給する、負の連鎖が近年注目されています。これは日本の母子家庭でも言えることで、母子家庭で生まれた女児が、成人した際に母親と同じように母子家庭の世帯となり、生活保護を受給し、それが三代、四代と続く貧困の悪循環がしばしば問題として取り上げられています。
またこれらの母子家庭やシングルマザーの世帯の問題は、日本のみにとどまらず、アメリカでもシングルマザー世帯の貧困の悪循環が指摘されています。
また、ひとり親世帯でも同様の貧困問題が取り上げられ、特に日本のひとり親世帯の貧困李率は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも4番目と非常に高く、またこれらのひとり親世帯の中から不労世帯を見てみれば、28カ国中12位と比較的中間ではあるものの、この順位で見てみると、ひとり親世帯のおよそ六割が貧困に窮しているという事が読み取れます。またこれらの母子家庭を含むひとり親世帯は、経済的困難を含む、虐待やニゴレクト、そして家庭の孤立などの深刻な問題が家庭の中に潜んでおり、またそれが子供や親の知的障害や精神疾患などに起因し、深く関与しているケースが少なくはありません。このことから見ても、これらの貧困の悪循環を日本国内でも断ち切るためには、これらの包括的な問題に取り組み、ソーシャルワーカーを現場に積極的に送り込むなどの、国と行政からのキメ細かい対応が求められていくことでしょう。

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