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国際協力用語集ワード詳細

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破綻国家
failed state

戦争や政治の腐敗などが原因で、もはや国がまともな機能を果たせず、成り立たなくなっている状態のことを意味します。

崩壊国家、解体国家などと呼ばれることもあります。経済的な行き詰まりや領土の喪失、医療や電気、水道の供給ができなくなるほか、外交断絶などの状態が起こることもあります。

ロバート・ロッドバーグが世界を5つに分類したのが、破綻国家という言葉の始まりだといわれています。「強い国家(ストロングステイツ)」「弱い国家(ウィークステイツ)」「失敗しつつある国家(フェイリングステイツ)」「失敗国家(フェイルドステイツ)」「崩壊国家(コラプスステイツ)」です。このうちの失敗国家と、崩壊国家の部分が、破綻国家だと考えられています。

破綻国家では、警察やその他のインフラサービスが正しく機能しなくなるので、国民の生活は非常に脅かされることになります。法律やルールといったものが守られなくなり、モラルが失われるため、治安が急激に悪化するのも特徴です。難民や略奪、飢餓などの問題が起こる可能性もあります。警察や軍隊なども信用できなくなり、給料を得られない彼らが犯罪に走ることもあります。さらに、破綻国家では、政府機関や警察が正しく機能しないために、無法地帯となることがあります。ギャングが横行するほか、出入国が自由になったり、セキュリティが甘くなるために、テロリストの格好の隠れ場になるといわれています。つまり、破綻国家の存在は、他国にとっても他人事ではないのです。重要な国際問題だと考えられています。

破綻国家に関しては、毎年調査がなされ、ランキングが発表されています。その指標となるのは、「人口圧力の増大」「難民の傾向」「暴力的な集団の有無」「人材の流出」「経済的な不平等」「急激な経済衰退」「国家による犯罪」「公共サービスの悪化」「人権侵害」「利己的な政治体制」「外部からの介入」などです。これらの要素を細かく調べて分析した結果、破綻国家と認定されることになります。

アフリカ諸国には破綻国家は多く存在しており、いつも上位にランクインするソマリア、コンゴ、シエラレオネ、アンゴラなどです。この国々には武装集団による内戦が長く続いている状態にあります。
破綻国家は、もはや自国の力だけでは、どうにもならないのが現状です。そのため、国連などが介入するのですが、なかなか改善のめどがたたないのが現状です。

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