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人間開発報告書
Human Development Report / HDR

国連開発計画(UNDP)が毎年発行している報告書で、各国の開発、発展の度合いを指数で表わして、ランキング化したものです。

なぜこのランキングが重要視されているかというと、人間開発報告書は、単なる経済力や生産力ではなく、識字率や貧困指数、ジェンダー開発指数といった、国民の生活が反映されているデータに基づいて発展度が報告されるからです。これが人間開発指数と呼ばれるもので、人生の選択肢の幅を広げることが人間開発であり、国の豊かさである、と定義づける大元となった考え方です。長寿、知識、人間らしい生活水準という大きく分けて3分野の達成度を平均し、評価した値が人間開発指数です。この考え方は1990年に人間開発報告書で発表されました。これによって、国家の安全保障を経済生産力や軍事力といった国益の観点でのみ考えるのではなく、人間の生活を守る安全保障を重視するという概念も生まれることになりました。病気や飢餓、犯罪、人権侵害などといった脅威から人を守り、豊かな生活のできる社会を目指す、ということが大きな目標として掲げられています。
もう一つ、人間開発報告書において毎年注目を集めるのは、その年ごとに人間開発に関するテーマが決められていて、そのテーマに関して提言された文章が発表されることです。経済、貧困、ジェンダー、環境といったテーマが毎年取り上げられています。近年では、生活の発展が後退しないように、社会全体を改革する必要性を訴えたとして話題になりました。

人間開発報告書では、日本の豊かさはランキングでは下降傾向にあります。ランキングで日本と近い位置にある国は、紛争などが続いているところもあります。戦争のない国であり、先進国として国際社会に位置するはずの日本が、人間開発指数では他国に比べ高くないという事実をきちんと捉える必要があると考えられます。日本はある特定の分野においては後進国と言われることもありますが、現代の国際社会における「豊かさ」「幸福度」と呼ばれる基準に、日本の優先順位が追い付いていないということの表れと言えるのではないでしょうか。経済状況の不安定化もさることながら、日本が「幸福」と呼べないのはなぜなのかを、国際水準の人間開発指数の考え方と照らし合わせて考えてみる必要があると考えられます。

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