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国際協力用語集ワード詳細

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世界保健機関
World Health Organization / WHO

世界中の人々の健康を実現することを目的に設立された国際連合の専門機関です。

世界保健機関(WHO)は、人間の健康を基本的人権のひとつと考え、世界中の人々の健康を実現することを目的に設立された国際連合の専門機関です。1948年に4月5日に設立され、本部はスイスのジュネーブに置かれています。設立日である毎年4月7日は世界保健デーとされています。現在200ほどの国と地域が加盟しています。WHO憲章では、「健康とは単に疾病や病弱が存在しないことではない」と定めています。そのため、その活動は、病気の撲滅のための研究や医療・医薬品の普及といった分野に限らず、災害時の緊急対策、感染症対策、健康的なライフスタイルの増進など、非常に広範囲に及びます。そのため、付属機関として国際がん研究機関(IARC)、WHO健康開発総合研究センター(WKC)が設けられています。

WHOの活動の中で最も功績が大きいものとして、天然痘の撲滅に成功したことが挙げられます。1959年に天然痘撲滅のためのプロジェクトが始まり、1967年には天然痘撲滅のための特別予算が組まれました。このとき、世界に天然痘の患者が少なく見積もっても1000万人はいると推定されていましたが、「10年後の1977年までに天然痘を撲滅させる」との目標が明確にされました。これを受け、WHOや世界各国では種痘などの対策を積極的に行った結果、患者数は激減。1977年にソマリアで発見された天然痘患者を最後に、天然痘患者は発生しなくなりました。最後の天然痘患者が発見されてから3年後の1980年には、WHO総会で天然痘の撲滅が正式に発表されました。

その他、世界の保健衛生の分野が抱える問題に対して様々な支援を行っています。伝染病や風土病などの感染性の撲滅や、国際的な保健に関する条約や協定の提案、研究の促進等も行っています。その他には、皆が安心して使用できるように医薬品や生物製剤、食品等の国際的な基準も作成しています。また、地域 事務局が主体となって行っている活動の多くは、発展途上国などに対する技術支援です。技術支援では、地域に直接専門家を派遣したり、必要な資材を発展途上 国に提供したりすることがあります。これまで実施してきた活動としては、新興感染症と呼ばれる新たに発生した感染症や、再興感染症と呼ばれるすでに克服さ れたと思われていた感染症の再流行に対する活動があります。1996年には、これらの感染症のために新たな機関を設置し、世界的な情報収集や分析機能の構 築や、感染が拡大した時に速やかに対応するための体制の確保や、感染症に対する科学的で正しい知識や対策の普及を行ってきました。また、特定の疾患の根絶 に向けて、予防接種の推進を行い、ポリオについては、アメリカ、西太平洋地域においてポリオ制圧宣言を出しました。更に、麻疹や破傷風、ジフテリアなどの 疾患の発生を防ぐ活動や、病気の子どもに対して幅広いケアを提供するための対策や、日常の病気の治療に不可欠な薬を適切に管理するための対策なども行っています。また、病気の治療に使われる医薬品や血液製剤、食品や化学物質等に対する安全性の問題についても、基準の検討や副作用などの重要な情報の迅速な提 供なども行っています。

2009年ごろから世界的に流行した新型インフルエンザでは、警告レベル6段階中最高のフェーズレベル6であるとして世界的流行に注意するように促しました。しかし実際には新型インフルエンザの感染力は低く、季節性のインフルエンザと大差ないレベルの小さな被害で収まりました。しかし、この機関で発表する注意喚起は世界的な影響力が強く、誤った情報を流したことにより問題となったことがありました。また、アフリカで局地的に流行したエボラ出血熱の感染拡大防止に関しても、WHOは強い存在感を示しました。

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