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ウルグアイラウンド
Uruguay Round

国家間で自由に貿易ができるよう、ルールなどを取り決めて行く通商交渉のことを指します。

ウルグアイラウンドとは、国家間で自由に貿易ができるよう、ルールなどを取り決めて行く通商交渉のことを指します。ウルグアイの名前が含まれる理由は、1986年同国東部のプンタ・デル・エステで開始宣言がされたためです。ラウンドとは多角的貿易交渉を意味します。ウルグアイラウンドの他にはケネディ・ラウンド、東京ラウンド等があります。

交渉の内容としては、国家間での特許権、商標権、著作権といった知的財産権の取り決めの他、農産物貿易の関税自由化について議論がなされました。ただし農産物については交渉は難航し、将来的には農産物の関税化を目指すものの、ミニマムアクセス(最低輸入機会)を決定するに至りました。ミニマムアクセスとは事実上輸入禁止ともとれる高関税の品目を撤廃させる目的で、輸入実績が国内消費の3%以下の消費である品目であれば、決められた数量まで低い関税(1次関税)を、数量を超えた分については高い関税(2次関税)の適用を行う制度を指します。日本であればお米を国内の生産量にかかわらず、国内消費の4~8%輸入しています。輸入機会の名前の通り、必ず輸入しなくてはならないという意味ではないのですが、国内でお米の生産量が過剰な状態でも実際は常に外国からコメを輸入している状態が続いています。

問題点として三笠フーズ事件があります。これは外国から輸入した事故米(政府が食用にできないと判断したもの)を三笠フーズが買い上げ、食用と偽って転売をした事件です。本来であれば民間業者でもミニマムアクセスの枠を使い、輸入が可能ではあるのですが、農業保護の目的から民間にはミニマムアクセスの枠が使えないようになっています。ほとんどのミニマムアクセスによる輸入されたお米は在庫米となっており、食用ではなく、米菓などの原料として使われる用途として扱われています。国内の米価、米農業保護のためです。

どの国でも自由に貿易ができるということは有難いことと思われがちですが、ウルグアイラウンドの背景には農産物を輸出したい国と輸入に頼りたくない国との思惑が存在しています。輸出したい国とは主にオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、タイなどの農産物輸出大国です。一方自国で農産物を保護していきたいのはEUをはじめとするヨーロッパ諸国になります。大量に輸出したい国にしてみれば相手国の高関税や輸入課徴金は障害にしかならないという理由があります。

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