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「偽物と本物」

2012年3月19日 10:07 AM

【滞在期間】2012年3月10日~3月16日 【総評】大変満足 【性別】男性 【ネーム】カラテカ

(1)参加動機   

私はマスターや貧民区の子どもたちと同様に、長年空手をやっており同じ空手の愛好者として子どもたちのサポートが出来るのではないかと考えました。2012年3月は私にとって学生最後の時間であり、これまで人生の大部分を捧げてきた空手道を通じてボランティア活動が出来ることは私にとって本当に幸せなことでした。また、将来海外にて空手指導を通じた青少年育成に関わりたいと考えており、それが実践されている現場をこの目で見たいと思ったのも参加動機の1つです。

(2)参加した感想

帰国して少しだけ時間が経った今、心に穴が空いたような感覚に陥っています。その原因は満足のいくボランティアが出来なかったことへの悔しさ、そんな自分をどう改善していけば良いか分からないもどかしさにあります。全ての思いを整理して感想文に綴ることは到底出来そうにもありませんが、心で感じた思いを忘れないうちに所感を述べさせて頂きたいと思います。

 

空手をやっていた私は他のメンバーとは違う土俵に乗っていた気がします。しかし、空手という土俵は立派でも、その上の自分は偽物であるということに後々気づいていくことになりました。私は皆から「カラテカ」と呼ばれていました。この呼び方をされることは本来嬉しいことではありますが、フィリピンでは情けない思いをしたことの方が多かったです。Happy kidsのみんなは空手をやっており、半分は他人の為に行動する「自他共栄」の精神を持っていました。それに対して私はHappy kids無しではろくに外を歩くことさえできず、やりたかった空手すら時間を作れず焦っているばかりでした。子ども達と遊ぶときもただただ楽しませるばかりで、礼儀作法を重んじるという本質的な目的を忘れていたこともありました。あらゆるシーンでHappy kidsの子ども達は本物の「空手家」であり、自分は偽物の「カラテカ」だと思い知らされました。

 

私にとって最後の夜、真剣に見るべき映画を上映されていた最中にも関わらずマスターがお酒を飲むことを許可してくれました。他の皆も私ともう1人のメンバーが最後であるということで楽しい雰囲気を作ってくれようとしていました。ただ、その映画は私たちより若い日本人が命を賭して戦う映画であり、楽しい雰囲気で見るべきものではありませんでした。マスターに激怒されて然るべき態度でした。その後、他のメンバーから私たちのせいで最後の夜を台無しにして申し訳ないと謝られて、自分が本当に本当に情けなく、悔し涙が止まりませんでした。本来ならば出て行く立場の私が率先して映画を見る雰囲気を保つべきでした。自分の未熟さのせいでマスターの優しさ、子どもたちの優しさ、他の日本人の優しさを全て無駄にしてしまいました。その晩はマスターの部屋の前で夜通し土下座して謝罪をするつもりでした。しかし、マスターは自分の部屋の中に招き入れてくれて、お気に入りの曲を聞かせてくれました。そのとき聞いた「やるなら今しかねえ」の歌詞は絶対に忘れられないものになりました。

 

マスターの言葉の1つ1つを鮮明に覚えています。その中で最も深く心に刻まれたのは「親孝行は ボランティアの第一歩」という言葉です。私は日本においては少しだけ特異な人生経験をしていました。それにより高校生の頃から親や兄弟を自らの手で養わなければならないという気持ちを常に持って生きてきました。そういったことは親友にも話せたことがなく、自分は特殊な存在であると考えていました。しかし、フィリピンの貧民区を訪れ自分以上に壮絶なバックグラウンドを持つマスターや子どもたちと出会い、自分の経験を初めて口に出すことが出来ました。フィリピン滞在中に最も尊敬する祖父の6度目の命日を迎え、合掌中に涙が止まらなくなりました。それと同時に自分に対して特殊であると考えていたことが恥ずかしくなりました。マスターは心の汗だと言ってくれましたが、自分より辛い思いをしている人がたくさんいる前で自分のための涙を流すなんて本当に情けないと感じました。これからは親に対して最大の孝行をして、マスターのように多くの人々を背負える男になります。マスターの一番弟子、工藤先生のように、自分を教えてくれた先生の誇りになれるように日々精進します。

 

迷惑ばかりお掛けしましたが親、家族、友人を背負える本物の「空手家」になってご恩返しをさせて頂きます。今回の滞在で受けたご恩は一生忘れません。


押忍

 

(3)今後、この経験をどのように活かしたいか

私は今年4月から総合商社にて勤務します。そこでは海外に駐在しビジネスで利益を生み出す仕事を行います。フィリピンに来るまで私は途上国でビジネスやCSR活動を行うこと自体がその国の人々に対する経済的貢献になると考えていました。しかしフィリピンのスラム街を訪問し、その考えが変化しました。日本のような先進国からズカズカと途上国にやってきて、「ほら、やってやったぞ。」と勝手な幸福を押し付けて無責任に帰っていくことは相手の気持ちを心で感じていな いことになると思いました。これはスモーキーマウンテン訪問時に石を投げつけられ痛感しました。私が途上国に住み社会貢献をする際には、現地の人々と心を通わせ独りよがりにならない本当のボランティアをしたいと思います。