『ファッション業界とSDGs』
17のゴールを目標としているSDGsは私たちが想像している以上に世界と私たち自身がどれほど精密に繋がっているかを改めて知ることができる。今なお、計り知れない程の社会問題が存在しており、私たち人間が生み出した過ちに真剣に取り組まなければいけない。SDGsを達成するためには自分自身の行動への責任感が必要である。小さなアクションがどれだけ世界中の人々、環境そして生命体にも影響を与えるのかを意識する姿勢を身につけることが大切であると考える。
その中でもファストファッションは環境負担がかかる大きな要因であることには違いはない。ファッションは誰にとっても身近な物であると言えるだろう。ファッション業界の圧倒される輝きに憧れる人は少なくないだろう、私もその一人である。衣服のインスピレーションを与えてくれる雑誌には毎月欠かさず熟読していた。しかし、時代とともにファッションの方向性も変化していく。それがファストファッションだ。トレンド性のある衣服が安価格で売られている。この手頃に手に入れられる結果、様々な環境破壊に繋がり、見えづらい現実となっている。そして、ファッション問題は二つのSDGsに関わっている。
一つ目は「人や国の不平等をなくそう」である。安い価格で抑えられているのは労働者の低賃金だからである。ファストファッション業界では、商品の低価格・短サイクルを実現するため、有害物質を生む素材を使用することも。工場の排水が、健康被害を引き起こしてしまったケースもあります。2013年に、衣料品の主要産業であるバングラデシュで縫製工場のビルが倒壊した事故は、不良な労働環境によって引き起こされた。労働者の人権や健康を守るための労働環境の改善に注力することが大切である。アパレル業界においては、先進国のアパレル企業が、賃金の安い発展途上国の多くの労働力に支えられ、成り立っている。サステナブルな業界を目指していくためには、ゴール10を意識し、労働者の人権と健康を守っていくことが欠かせないのである。
二つ目は「つくる責任 つかう責任」である。経済の成長に伴って環境悪化が加速する現状を打開するためにも、持続可能なライフスタイルの実現が求められている。過剰消費が問題であるファッション業界ではサステナブルな行動をすることで不要な服を過剰に生み出すことをやめる、長く着られる服を生産する、不要になった服を再利用する動きがある。これらはゴール12「つくる責任 つかう責任」とアパレル業界に大きなかかわりがあることがわかる。
SDGsが普及する以前から、環境への負荷や労働問題などについて、問題視されてきたアパレル業界。だからこそ、原材料の調達から製造工程、大量生産・大量消費の見直しなど、多くの企業が趣向を凝らしつつ、SDGsへの取り組みに積極的に向き合っている。また「つくる側」だけでなく、「つかう側」の責任として、消費者も「長く大切に着る」「不要になった服はリサイクルへ」「エシカルファッションの購入」など、無理なくできることから取り組もうという認識は欠かせない。こうした状況の中で、SDGsで学んだことを活かして将来ファッション業界に貢献できる活動をしたい。