カンボジアでの旅は国境における衝突を知り、平和教育のあり方について考える契機になった。初日に訪れた、戦争博物館にあったアメリカ製の爆弾が、七月にタイから発砲されたものだと知った。明るい空のすぐ横に戦争の影が確かにあることを感じた、初めての経験だった。
カンボジアとタイの衝突についてさらに知る契機になったのは、ガイドでもあり、先生でもあった方のお話だ。センシティブな内容であるにも関わらず、お話しくださった。そのお話を聞いた時、タイ?カンボジア?と無邪気に聞いてきた子どもの姿が脳裏に蘇った。衝突について知っていてもとびきりの笑顔で抱きついてくる子どもたちが、近い将来戦争に巻き込まれ、悲しむなんてありえないと胸が苦しくなった。このまま衝突が続いたり、戦争に発展したりすれば子どもたちの未来はくすんでしまう。大人になっていく私が、子どもたちの未来を作るのであれば、子どもたちが笑顔でいられる未来であって欲しいと感じた。
帰国後もこの思いと経験を胸に、企業でインターンをした時、カンボジアで学んだことを職員の方と共有した。ガイドの方のお話や現地の学校の話をした。そこで、国境付近にはタイ人とカンボジア人の双方が通う学校があったり、カンボジアで大きな怪我をした時にはタイの病院に運んだりするということがあることを知った。文化的、歴史的に近い関係であるにも関わらず、両国の対立感情が高まっていることを共有した。
また、カンボジアのガイドの方が、タイで敵国意識を育む教育をしている学校があるということをおっしゃっていたのが自分の中で引っかかっていた。それはイスラエルの壁で起きていることと似ていると感じたからだ。若者は過去を知らないにも関わらず、敵意識が生まれるのは、教育が原因である。日本の学校には道徳という科目があるが、それは当たり前ではないと知った。しかし、道徳教育がない地域にいきなりそれを導入しようとしても現地の負担になるだろう。そのことに関し、カンボジアの小学校の図書室でのことが思い浮かんだ。一人の子が私に絵本を読んでほしいと頼んだ。それは日本の本だった。言語が通じているのかどうかわからなかったが、絵本を通じて単語を学んでいたので、絵本は言語習得に効果があると感じた。また、道徳心を育むことができるような絵本は少なからず日本には沢山ある。それを日本語を学んでいる子どもたちに贈ることは道徳心の向上にも大いに意味があることだと感じた。そのため、世界において道徳教育を行っていない学校で、トンレアップの小学校のように日本語を学んでいるところがあれば、日本語の絵本を贈ることを提案したい。その学校が外国語として英語を学んでいるならば英語の絵本でも良いだろう。絵本を読む時間を授業中に設けたりボランティアや先生が読んだりすることで、興味を広げることができればより良いと思った。たしかに道徳教育を直接導入するのが理想だが、絵本を通じて自然に道徳心を育むことが現実的ではないだろうか。
カンボジアに訪れたことは、平和教育について考える契機となり、非常に良い経験だった。これからも子どもたちのまぶしい笑顔を守るために自分に何ができるか、世界がどのように関わるべきか考えていきたい。
満足
進学/就職に活かしたい
視野が広がった!
勉強になった!
いい経験になった!
内容が充実していそうで、たくさんの参加者の声があったから。
総合的に自身を省みるきっかけとなった。日本においてこれまで生きていたことがどれほど恵まれていたことだったのだろうと感じた。しかし、カンボジアの子どもたちは決して不幸などではなく、今の生活が当たり前で幸せを感じているということが分かった。また、子どもたちとの関わりを通して平和や教育について考えを深めることができた。
子どもたちの笑顔を思い出し、それを原動力にしながら大学での学修に活かしていきたい。
シェムリアップは治安も安全です。良い経験になると思います。
会員様から頂いたメッセージは私達にとって何よりの励みになります!!
短い期間ですが、ありがとうございました。カンボジアでの経験や子どもたちの笑顔を胸に、日本の大学でも努力を続けていきます。これからもトンレアップの小学校やぼらぷらの活動を応援しております。