『意欲ある子どもが当たり前に学べる社会へ』
善意では貧困を無くせない。私は、決して善意を持って人のために行動することを否定しているわけではない。むしろ、誰かを思い、助けたいと感じる気持ちは、人間にとって自然で大切なものだと思っている。しかし、カンボジアでのボランティア活動を通じて、善意だけでは解決できない現実があることを強く実感した。
私がカンボジアでの日々で一番驚いたのは、子どもたちの「教育を受けたい」と言う意欲の強さだ。学校でのボランティア活動中、私たちが質問を投げかけると、子ども達は一斉に手を高く挙げ、「私!」と声を上げた。全員が当てられないように視線を伏せることが多い日本の学校とは対照的で、その積極的な姿勢に強い感銘を受けた。
しかし、その意欲とは裏腹に、カンボジアでは学校に通いたくても通えない子どもが多く存在している。教育の無償化が行われているのにも関わらず、初等教育修了率は87.3%、前期中等教育修了率は52.9%にとどまっている。これは、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」が、制度だけでは十分に達成されていないことを示している。
この背景にあるのが、貧困だ。家庭に経済的余裕がない場合、子どもは学校に通うよりも、短期的な収入を得るために児童労働を選ばざるを得ない。結果として教育の機会を失い、将来に生かせるスキルを身につけることができず、低収入の仕事につく。そして、その貧困が次の世代へと引き継がれていくという悪循環が生まれてしまう。私は現地で、実際に児童労働を目の当たりにした。カンボジアに行く前から、「絶対に子どもからものは買わない」と決めていたが、実際に現地に行くと善意で買ってあげたくなる自分がいた。しかし、もしその場で購入していれば、児童労働によって収入が得られるという認識を強め、結果的に教育から子どもを遠ざける構造に加担してしまった可能性がある。ここで私は、目の前の善意と、長期的な課題解決は必ずしも一致しないという現実に直面した。この経験から、支援は気持ちだけでなく、結果まで考えて初めて意味を持つのだと学んだ。
このような貧困と児童労働の悪循環を断ち切るためには、目先の収入に頼らない社会構造をつくる必要がある。そこで大切なのが教育である。教育は一時的な所得を生む手段ではなく、将来の選択肢を広げる人的資本への投資であり、長期的に国の経済成長を支える基盤となる。特に重要なのは初等教育である。読み書きや基礎的な思考力は、その後の学習や職業能力の土台となるため、小学校を継続して修了できる環境を整えることが、国全体の能力を底上げする第一歩になる。
その実現には、短期的には国際協力による支援も必要となる。ただし、限られた資源を有効に活用するためには、どこにどれだけの資金を投入すべきかを慎重に判断する視点が欠かせない。だからこそ私は、将来、開発コンサルタントとして教育分野に関わりたいと考えている。根本的な課題解決には、感情や善意だけではなく、データに基づいた分析が必要だからだ。データ分析によって課題を可視化し、限られた資金と時間をどのように配分すべきか検討することで、より効率的で効果の高い支援策を提示することができる。同時に、現地の人々の声を取り入れることで、数字だけでは捉えきれない現実を反映した支援を実現したい。カンボジアで初等教育を普及させ、意欲ある子どもが当たり前に学べる社会の実現に貢献したい。
満足
人の役に立ちたい、社会問題に興味がある
勉強になった!
いい経験になった!
SDGsについて行動したくなった!
SDGsを自分ゴトとして捉えられるようになった!
発展途上国の教育について興味があったので、もっと深く考えたかったから。
色々な問題を踏まえながら、問題に取り組むことができた。
将来開発コンサルタントになりたい。
楽しみながら頑張ってください!