山極総長(第26代総長)京都大学と環境配慮について(SDGs KYOTO TIMESより)
御校のビジョンや方針と
SDGsの関連性を教えて下さい!
京都大学では「京都大学環境憲章」で以下のように宣言しています。
“京都大学は、その伝統によって培われた自然への倫理観と高度な学術性や国際的視野を活かし、環境保全のための教育と研究を積極的に推進し、社会の調和ある共存に貢献する。
また、本学は、人類にとって地球環境保全が最重要課題の一つであると認識し、大学活動のすべてにおいて環境に配慮し、大学の社会的責務として環境負荷の低減と環境汚染の防止に努める。”
もちろん、京都大学で行われている幅広い分野の研究、社会貢献、国際交流は、地球環境保全のみならず、たくさんのSDGsの目標と関連しています。
更に言えば、SDGsの枠組みを超えた、根源的な「知」を追求しているともいえるでしょう。
京都大学×環境×SDGs
京都大学では、年度ごとに、環境パフォーマンスデータ(温室効果ガスの排出量やエネルギー使用量、廃棄物排出量、化学物質の管理データ)や、 環境関連の取組(環境教育、研究、社会貢献活動)を取りまとめて、環境報告書として公開しています。 ステークホルダー(学生や地域の方、行政、民間事業者)による報告書や取組そのものに関する議論の場、学部ごとのデータも見ることのできる詳細なデータ集などが特徴的です。
学生から見た
京大の学風・特徴
京大はしばしば「自由な校風」を持っていると言われます。
それは、あらゆる行動や選択が学生の手に委ねられているということや、いろんな価値観を持つ人が混在している”カオス”な状態に代表されています。
筆者(とある京大の学生)が所属するエコ~るど京大は、最も「京大らしい」団体の一つだと思いますし、SDGsをテーマに活動している最大の団体でもあります。
そんなわけで、以下のエコ~るど京大の取り組みのご紹介を通して、「京大×SDGs」の様相を掴んでいただければと思います。
エコ~るど京大とは?
エコ~るど京大は、学生と教職員の有志が、環境問題やSDGsをテーマに活動するネットワークです。
「持続可能なキャンパス(サステイナブルキャンパス)」の実現や、SDGsを「自分事化」して考えることを目指しています。
名前のエコ~るどは、エコ×世界(ワールド)からの造語で、『Think globally, Act locally, Feel in the Campus!』を願ってつけたものです。
また、エコ~る(Ecole)とはフランス語で学校を意味し、京大の中でエコを学ぶ学校を特別に開校するという意味も込めています。
大学生や先生だけでなく、社会人や小中高生、留学生、さらには地域住民も巻き込みながら、様々な企画を形にしていくのがエコ~るど流。
多様な人との交流を通して、自分の考えを発信したり学びを深めたりしつつ、それぞれが自分の興味のある企画で日々奮闘中です。一緒に活動する仲間も随時募集中です!
エコ~るど京大の 取り組み
今日も明日もSDGs!
SDGsをより身近に、自分事化して考えてもらうための30分のオンライン番組。 「プラスチックとの持続可能な付き合い方を考える」など、テーマを決め、17日間にわたり放送します。2022年3月までに5回実施。
SDGs問答
毎回様々な方をメインスピーカーとしてお招きし、「持続可能性・SDGs」をテーマにぶっつけ本番の問答を行っています。
京都超SDGs
シンポジウム
SDGsに関する技術や未来を語るだけではなく、SDGsにまつわる「もやもや」を解消しよう!といった企画も盛り込んだシンポジウム。 コロナ禍では、オンラインやハイブリッドでも活発に展開しています。
持続可能な地域づくり
京都市の里山・京北地域を拠点に、持続可能な地域づくりの取り組みに参加しています。 地域住民と関わりながら、「京都里山SDGsラボ」という施設で、楽しいイベントを開催します。万博に向けた取り組みも!
京都大学プラ・イド革命
プラスチックの依存度、意識度、異常度…。プラ「い」度を通して、プラとの付き合い方を考える取り組みです。 学内でのマイボトル普及実証実験、マイボトルダンスなど、様々な企画が展開されています。
小中高生向け
教育プログラム
全国の中高生を対象にしたSDGsリーダー育成プログラムに、メンターとして協力しています。 また、全国の小中高から、SDGsの出前講座やイベントの実施を頼まれることも。若い世代で一緒にSDGsを勉強&実践中!
みんなの食ロス革命
食品ロスの問題を解決するために、私たちができることは何でしょうか。「食ロスゼロレンジャー」と一緒に、子供から大人まで、一緒に考える展示企画を、大学の内外で実施中です。
初夏の陣・京大
125周年記念企画
環境月間であり、京大創立記念日もある毎年6月には、「初夏の陣」として、京大の先生にSDGsをテーマにお話を聞く「勝手に集中講義」など、様々な企画を実施。 今年度は創立125周年を記念し、さらにパワーアップ。創立記念行事への出展など、企画が目白押し。
アップサイクル
アップサイクルとは、元のものより価値を高めるリメイクやリサイクルのこと。 たんすに眠った着物を“思い”とともに受け継ぐ「Kistory」に寄贈された着物の一部や、短い鉛筆など、たくさんのもののより良い使い道を探っています。
新入生向け
リーフレット企画
毎年新入生全員に、環境のこと、SDGsのことについて考えてもらえるようなリーフレットを配布します。 2022年度は京都大学創立125周年を記念し、歴代京大生に学生時代のエピソードや、環境問題・社会問題についてどう考えていたかをインタビューする企画を実施しました。
SDGsの社会実装を目指す
「京都超SDGsコンソーシアム」
SDGs先進都市である京都市をフィールドに産学公が連携し、SDGsの達成に向けてともに考え、行動し、発信する「京都産学公 SDGs プロジェクト」が2019年6月27日に発足しました。 プロジェクトを推進し、SDGsの社会実装を目指すために「京都超 SDGs コンソーシアム」(京都大学、京都市、リコー、JT、安田産業、ソフトバンク、ecommit、セブン&アイ・ホールディングス、三洋化成工業)を立ち上げ、 京都大学における資源循環や省エネ・創エネに関する取り組み、人口が減少している中山間地域の維持、持続可能性・SDGsをテーマにした教育プログラムの開発等、 SDGsの社会実装を目標とした取り組みやシンポジウムや博覧会等による発信・情報交換を行っています。
貴学の魅力・特色を
教えてください!
“知と自由”を尊重する学風とそこに根ざした“おもろい”を尊重する気風。(「KYOTO UNIVERSITY GUIDE BOOK」より)
世界や社会に通じた窓を開け風通しをよくし、野生的で賢い学生を育てることが私たち京都大学の共通の夢であり、目標です。(京都大学「WINDOW構想」より)
京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎に、ここに基本理念を定める。
■ 教 育
京都大学は、多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、卓越した知の継承と創造的精神の涵養につとめる。
京都大学は、教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成する。(京都大学の基本理念(抜粋))
どのような入学生を
求めていますか?
京都大学は,本学の学風と理念を理解して,意欲と主体性をもって勉学に励むことのできる人を国内外から広く受け入れます。 受入れにおいては,各学部の理念と教育目的に応じて,その必要とするところにしたがい,入学者を 選抜します。 一般選抜では,教科・科目等を定めて,大学入学共通テストと個別学力検査の結果を用い て基礎学力を評価します。 特色入試では,書類審査と各学部が定める方法により,高等学校での学修に おける行動や成果,個々の学部・学科の教育を受けるにふさわしい能力と志を評価します。(京都大学「アドミッションポリシー」より)
高校生の皆さんに
メッセージをお願いします!
【先生からのメッセージ】
京都大学も、その立地する京都も、あらゆるものについて、深く学び、語り合い、考え、行動できる場所だと思います。
ジャングル、カオスのような場所とも言えますが、みなさんが、その一員になられることを、心よりお待ちしております!
【学生からのメッセージ】
京都大学に入るためにはたくさんの勉強が必要かとは思いますが、自分の興味・好奇心を忘れずに、様々な経験を積んでください!
高校生が参加
できる企画はありますか?
エコ~るど京大が運営に携わっている「京都大学SDGsリーダー育成プログラム」は、全国の中高生が参加可能です! また、エコ~るど京大では、一緒に活動してくれる仲間を随時募集しています!
高校での活動を評価する入試制度例 |
■特色入試 本特色入試では、高大接続と個々の学部の教育を受ける基礎学力を重視し、 1. 高等学校での学修における行動と成果の判定 2.個々の学部におけるカリキュラムや教育コースへの適合力の判定 を行い、1と2の判定を併せて、志願者につき高等学校段階までに育成されている学ぶ力及び個々の学部の教育を受けるにふさわしい能力並びに志を総合的に評価して選抜します。 1. については、高大接続を重んじるという観点から、高等学校での学修における行動や成果を丁寧に評価するため、 「調査書」に加え高等学校長等の作成する「学業活動報告書」や「推薦書」を提出していただきます。 そこには、出願者の高等学校在学中の顕著な活動歴(例えば、数学オリンピックや国際科学オリンピック出場、各種大会における入賞、教育委員会賞、国際バ力ロレアディプロマコース・SAT・TOEFL・TOEIC・英検の成績など)を記していただき、 志願者が受験科目以外にどういったことを学んできたか、どういった活動を実践してきたかを見ます。 さらに、志願書が作成する「学びの設計書」等をもとに、高等学校での活動内容から本学において何を学びたいのか、卒業後どういった仕事に就きたいのかといった、 志願者自らの学ぶ意欲や志について書類審査を通じて評価します。 2. については、学部が定めた力リキユラムの内容を修得するのに必要とされる基礎学力や個々の学部における教育コースにとって望ましい能力を重んじるという観点から、 書類審査に加えて、大学入学共通テストの成績、学部ごとの能力測定考査、論文試験、面接試験、口頭試問等を組み合わせて実施します。 |
最新の入試情報 | 入試情報サイト |
大学名 | 京都大学 |
学部一覧 | 総合人間学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、薬学部、工学部、農学部 |
アドミッション ポリシー |
京都大学は,日本の文化,学術が育まれてきた京都の地に創設された国立の総合大学として,社会の 各方面で活躍する人材を数多く養成してきました。 創立から1世紀以上を経た21世紀の今日も,建学 以来の「自由の学風」と学術の伝統を大切にしながら,教育,研究活動をおこなっています。 京都大学は,教育に関する基本理念として「対話を根幹とした自学自習」を掲げています。京都大学 の目指す教育は,学生が教員から高度の知識や技術を習得しつつ,同時に周囲の多くの人々とともに研 鑽を積みながら,主体的に学問を深めることができるように教え育てることです。なぜなら,自らの努 力で得た知見こそが,次の学術展開につながる大きな力となるからです。このため,京都大学は,学生 諸君に,大学に集う教職員,学生,留学生など多くの人々との交流を通じて,自ら学び,自ら幅広く課 題を探求し,解決への道を切り拓く能力を養うことを期待するとともに,その努力を強く支援します。 このような方針のもと,優れた学知を継承し創造的な精神を養い育てる教育を実践するため,自ら積極 的に取り組む主体性をもった人を求めています。 京都大学は,その高度で独創的な研究により世界によく知られています。そうした研究は共通して, 多様な世界観・自然観・人間観に基づき,自由な発想から生まれたものであると同時に,学問の基礎を 大切にする研究,ないし基礎そのものを極める研究であります。優れた研究は必ず確固たる基礎的学識 の上に成り立っています。 京都大学が入学を希望する者に求めるものは,以下に掲げる基礎的な学力です。 1.高等学校の教育課程の教科・科目の修得により培われる分析力と俯瞰力 2.高等学校の教育課程の教科・科目で修得した内容を活用する力 3.外国語運用能力を含むコミュニケーションに関する力 このような基礎的な学力があってはじめて,入学者は,京都大学が理念として掲げる「自学自習」の 教育を通じ,自らの自由な発想を生かしたより高度な学びへ進むことが可能となります。 |
キャンパス所在地 | 京都市左京区吉田本町 |
エコ~るど京大HP | サイト |