海外ボランティア募集！大学生・高校生・社会人にオススメ。春休み夏休みも通年開催。

　私たちは想像することができるだろうか。学校に行けないことを、文字の読み書きができないことを、1日200円で生活することを、安全な水が飲めないことを、自分たちの当たり前は誰かにとっては当たり前じゃないことを。私はもう一度問いたい。このような世界を、私たちは想像することができるだろうか。
　このような世界を想像すると、おそらく多くの人が「自分たちには関係がない」「そんな世界ありやしない」と思うだろう。しかし、これらは私たちが生きる地球で今実際に起こっていることなのである。15歳以上で文字の読み書きができない人は世界に7億人以上いて、1日200円で暮らす人も世界に約7億人いる。安全な飲み水が手に入らない人は世界で約21億人いる。遠い世界の誰かではなくて、私たちと同じ地球に住む誰かがこのような状況下で今生きている、そのことを私は多くの人に知ってほしい。
　例えば学校に行けていないとどのようなことが起こるのだろうか。子どもたちは文字の読み書きができないまま社会に出ることになる。文字の読み書きができないことを利用され不当な契約を結ばされてしまうこともある。さらには、薬が欲しいと言って渡された瓶に「毒」と表記されていても気付かず飲んでしまうことだってある。文字について「知らない」というだけでもこれだけの悲惨な現実がある。でも、もしこのような子たちが学校に行けるようになって文字について「知る」ということができたら世界はどう変わるだろうか。文字の読み書きができれば良い職に就くことができる。自分の子どもに教えることもできる。不当な契約を結ばされなくて済む。海外に出て世界を変えることだってできるかもしれない。「知る」ということで、子どもたちの未来が、そして世界が大きく変わるのである。
　例に挙げた「知る」ことで世界が変わるというのは、実は私たちにも当てはまることである。SDGsについて知らないのと知っているのではまったくと言っていいほど、世界の見え方が違うのである。SDGsについて知らなかったら、水も電気も思うままに使い、使えなくなった食材を躊躇なく廃棄し、マイバックを持ち歩かずにレジ袋を毎回もらうといったことを普通にしてしまうだろう。しかし、私たちも「知る」ということで世界の見え方を変え、行動をも変えることができる。実際に私がクラスでSDGsについての発表をしたところ、事後アンケートでは多くの人が「SDGsについての理解が深まった」と回答した。中には「SDGsは自分たちの身近にも関係していると気づくことができた」「SDGs達成のために自分にできることを見つけて実践したい」という回答もあった。「知る」ことで多くの人が行動を変えようとしてくれたのである。
　このように「知る」ということで世界の見え方は大きく変わってくる。そして、「知る」ことで世界は広がっていく。つまり、「知る」ということは新しい歩みを進めるための第一歩なのであり、世界を変えるスタートなのである。だから私は、これからも自分が知らない世界を「知る」ための学びを今後も続け、自分が伝えていくことで他の人の「知る」きっかけをつくっていきたい。また私は、多くの人に自分の知らない世界のことを想像し、「知る」という経験をたくさん重ねてほしい。そうすれば、SDGsはすべての人にとって身近なものになるだろう。「知る」という経験は、必ず私たちを変えてくれる。