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国際協力用語集ワード詳細

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国連カンボジア暫定統治機構
United Nations Transitional Authority in Cambodia / UNTAC

カンボジアの内戦終了後、暫定的に統治するために国連によって作られた組織です。

UNTACとは、20年以上にわたり内戦が続いたカンボジアにおいて、紛争を終結させ、選挙によって選ばれた議会が憲法を制定し、政府を設立するまでの間、暫定的にカンボジアを統治するために国連によって作られた組織です。国連が一時的に一つの国を統治するという、人類史上初めての試みでした。このUNTACの代表として選ばれたのが、日本人の明石康氏です。明石氏は1984年には旧ユーゴ問題担当事務総長特別代表としてユーゴ紛争の収拾に向けた活動を行っており、カンボジアでは国際連合保護軍最高指揮権を付与され、カンボジアに赴任しました。

1970年代までカンボジアはのどかな農業国でしたが、ベトナム戦争が原因で内戦状態に陥りました。ベトナム戦争が北ベトナムによる南北統一という形で終結すると、米軍の撤収によって軍事クーデタで政権に就いた、ロン・ノル政府は崩壊し、力をつけていたポル・ポト率いるクメールルージュ勢力がプノンペンを陥落させました。しかし、ベトナムとの関係が険悪だったクメール・ルージュはベトナム軍のカンボジア侵攻によって、タイ国境地帯まで追い詰められ、ここからクメール・ルージュ、シハヌーク国王派、ソン・サン派の反ベトナム三派連合とヘン・サムリンを立てたベトナムとの泥沼の内戦状態となりました。しかし、1985年のベトナム軍の大攻勢により、三派連合の民主カンボジア政府軍のは壊滅的な打撃を受けました。そして、1988年にベトナムの政権交代によってベトナム軍は撤収し、1990年に東京でカンボジア和平東京会議が開かれ、四派による最終合意文書が調印され、カンボジアの内戦はようやく終結しました。それから、停戦状態監視と地雷除去活動のための人員訓練のために国際連合カンボジア先遣隊(UNAMIC)がカンボジア入りし、それがUNTACに引き継がれました。UNTACは、停戦監視のほかに、武装勢力の武装解除、治安維持、難民や避難民の帰還促進などの活動を行いました。日本からも自衛隊の施設大隊や文民警察官が派遣され、停戦監視や選挙管理要員として活動しました。
UNTACが活動を終了したのは、総選挙後ノロドム・シハヌークが国王に復位した1993年です。

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