2010年9月21日 10:38 AM
【滞在期間】2010.9.6~9.12 【総評】大変満足 【プロフィール】女性/大学生/山口県
(1)参加動機
今回たったひとりで見知らぬ土地であるフィリピンの貧民区キッズサポートのボランティアに参加することを決意した理由は、貧民区のストリートチルドレンと呼ばれる子どもたちのために、こんな私でも何か役に立てるのではないかと考えたからです。私は現在大学に通っており、ゼミに所属しています。そのゼミでは、貧困の貧しさと救済をめぐる世界史を学び、貧困の救い方に関してゼミ生で日々討論しています。以前から貧困に興味があった私は、迷わずこのゼミを選び授業を受けましたが、 ゼミ生の中で実際に貧困国の現状を見た人はひとりとしていなかったため、正直討論しても幸せボケしている日本人の私たちが推測や憶測で討論してもきりがないという状態でした。私たちが得ている情報源は、全てテレビや新聞やインターネットな どのマスメディアであり、それらの情報は都合が良いように何らかの加工がされていることは分かっていました。そこで、私はインターンシップとして実際に現地に足を運び、自分の目で貧困国の現状を見てみたいと思いました。そして、実際に貧民 区の子どもたちのためにボランティアをすることで、彼らの生活は少しでも改善するのか、そして私にはどこまでボランティア できるのか確かめたいと思い、参加を決意しました。
また、現在は「子どもの貧困」という本を扱っているため、数あるプロ グラムの中から「フィリピン貧民区キッズサポート」のプログラムを選びました。 また、最大の動機としては、自分自身を成長させたかったからです。正直ボランティアをしに行くのに自分のことしか考え られてないのは情けないことですが、まず自分が成長しないことにはボランティアなんてできないと思いました。今まで何を するにも誰かの後に続いて、何かをやりたくてもひとりだったら諦めていました。そんな自分に嫌気がさして、「もっと立派 な大人になりたい」、「もっと自分の意志を強く持ちたい」と思い、自分を変えるために一人で応募しました。
(2)参加した感想
正直かなり意気込んでこのプログラムに参加しました。しかし実際にスラム街を初めて目の当たりにして、かなりショック を受けました。スラム街の向こう側には高層ビル街が立ち並んだ光景を目にして、フィリピンの格差を見せつけられました。 しかも、特に具体的な目標も持たずに曖昧にしたまま参加してしまったため、実際に現地に行って活動するにあたって自分の 気持ちがどれだけ浅はかであったことを感じ、情けなく思いました。それと同時に私はボランティアをしに行ったのに、初め ての土地でわからないことだらけで予想以上に戸惑うことが多く、逆に現地スタッフの方にボランティアされる形となってし まい、自分の無力さを痛感する場面が何度もありました。しかし、現地の貧民区のひどい場所に自分の足で行き、現地のひど い状況を自分の目で見て、何のマスメディアも介することなく自分自身で確かめることができました。やはり、マスメディア を通したり誰かから聞いたりするよりも、自分の目で確かめることが何よりも一番良いと感じさせられました。
また、日本各地からインターンシップ生が集まり、同じ場所で共同生活をしました。朝から晩まで同じ場所で同じ活動をし たため、協調性を高めることもできたし、各個人の役割分担をし、それぞれの役割を全うすることができたと思います。 ボランティア活動においては、私たちが貧民区の人たちにフィーディング活動やファーストエイド活動をしたところで、彼 らの生活や生命の安全は一時的にしか保証されません。私たちの活動によって本当に改善されているのか、むしろ彼らにとっ てはもしかするとありがた迷惑なのではないかとまで思いました。しかも、どこまでボランティアをすれば彼らのためになる のかわからなくなってしまい、混乱してしまいました。しかし、これは現地に行ったことで分かったことであり、この課題は自分に与えられた試練だと考え、また様々なボランティア活動を重ねて、じっくり課題と向き合い自分なりの答えを出していきたいと思いました。
(3)今後、この経験をどのように活かしたいか
今回のインターンシップボランティアで学んだのは、まず、日本はいかに幸せな国であるかということです。フィリピンの スラム街の子どもたちは毎日の生活が保障されていないため、学校に行って教育を受けるなんていうこととはかけ離れた生活を しています。彼らは金銭的に教育を受けられないため、もちろん未来のその子どもたちも教育を受けることはできないでしょう 。それに比べて私たちは、小学校・中学校は義務教育、また高校・大学まで教育を受けることができ、日本ではそれが当たり 前のようになっています。しかし、私たちは教育を受けられることを当たり前のことだと思わず、親や境遇に恵まれていると いうことを再確認した上で、毎日の学校生活1日1日を大切に過ごしていくべきだと思いました。
今回は海外のフィリピンのインターンシップボランティアに参加したことで、フィリピンの貧民区の状況やひどい格差が分かりましたし、また日本がどれだけ恵まれた国であるかは理解できました。しかし日本にも貧困は存在しますが、まだ実際に 目にしたことはありません。ですから今後は、日本の貧困や格差も実際に見てみて、日本でもボランティア活動をしていきたいと思っています。 私は現在ゼミで「貧困」をテーマに日々討論しています。自分自身で見たことや体験したことをテーマとして提供して討論 して、他のゼミ生の意見を聞いて視野を広げていきたいと思っています。もちろんゼミ生だけでなく、自分の周りのたくさん の人たちにもフィリピンの現状を知ってもらい、日本がいかに幸せな国か理解してもらえるように、私自身が伝えていくつも りです。
今回参加して、ボランティアとは単なる自己満足であると分かりました。しかも小さなことしか力になれないのです。しか しそれでも、自分の人生をかけてでも、彼らの役に立ちたい、彼らにもっと人生の素晴らしさを知ってほしいと思いました。