2012年3月8日 4:41 PM
【滞在期間】2012年2月16日~2012年2月29日 【総評】大変満足 【プロフィール】女性 【ニックネーム】Y.K
(1)参加動機
もともと発展途上国の子どもへのボランティアに興味があり、貧困に苦しむ子、親のいない子、身体や精神に障害のある子に、長期的な支援はできなくても少しでも笑顔を与えたいと思い今回このインターンシップに申し込みました。
(2)参加した感想
私の考えはとても甘いものでした。「子どもに笑顔を与えたい」と思いフィリピンに行ったはずなのに、「さあどうぞ。あなたがやりたいボランティアをやってください。」と言われても何もできませんでした。子どもに何をしてあげて、何を伝えて、何を感じてほしいのか、何も考えて行っていなかったのです。私は本当にただの観光客でした。現地に行けば何かやらせてもらえるだろうと、受け身の考えでした。今思うと本当に恥ずかしいです。
1回の移動にしても、ハッピーキッズの子どもたちがボディガードをしてくれて、本当は友だちと遊びたいはずなのに、私の手をしっかり握って守ってくれました。ボランティアをしに来たはずなのに、子どもたちにボランティアしてもらい、たくさん迷惑をかけました。本当にごめんね、みんな。ファーストエイドにしてもフィーディングにしても、リオやリキやハッピーキッズのみんながいなければ何もできない。現場でも、やり方の説明をしてもらわないとできない。実際にやってみても、手際が悪く、もたもたしてまた迷惑をかけてしまう。私はここに何をしに来たんだろう、私が来なければ子どもたちはもっと他にいろいろな事ができたはずなのに、と何度も考えました。 私はずっと、思ったことを口に出したり行動に移したりできないことがコンプレックスでした。行動に移す前に頭で考えてしまっていました。マスターに「O型の人間は世界を引っ張っていく人間だ。絶対に変われるから自信をもって。」と言われた時、「絶対に変わりたい、心で感じたままに動きたい。」と強く思いました。
帰国も間近に迫った3回目のファーストエイドの時、自然と「シノマイスガー」と声が出ました。「怪我をしている子どもの手当てをしたい、私が今ここで出来ることがある」そんな思いが心の中にぱっと浮かびました。マスター、私は少しでも変わることができましたか・・・?「心で感じる」ことができるようになりましたか・・・?すみません。自分の成長のことばかり。チャイルドケアをしに行ったのに、自分ばっかりいろんなことを吸収して帰ってきてしまいました。たくさんたくさんマスターから教わりました。マスターはたくさん怒ります。でも、マスターの言葉の1つ1つが私の道しるべでした。怒られてるはずなのに、その言葉が私を少しずつ前へ進ませました。マスターは怒った後少し笑顔になります。私には「これからどうするかはお前次第だ、さあどうする?」と言っているように見えました。マスターの声が懐かしいです。1日にあんなに怒られることは人生でもうないと思います(笑)
滞在中にスモーキーマウンテンに行きました。スモーキーマウンテンと言うと、仕事もお金もない人が最終的に行きつく場所、靴も履けないような子どもが働いている場所、というイメージがありました。しかし実際には全く違いました。そこは1つの生活の場所。ごみ山からスポンジを拾ってきて、きれいに洗い、新品のカバーをかけて枕やマットにする。素晴らしい技術でした。毎日毎日、努力努力。そこで暮らしている人たちは、そこでの生活に誇りを持っているように見えました。スモーキーマウンテンに行ったあとで私は「大学での授業を真剣に受けていると胸をはって言えない私なんかより、家族の生活のために毎日毎日目標に向かって頑張っている彼らの方が幸せなのかな。」とマスターに言いました。そしたらマスターは、「じゃあ、日本で生活を捨ててあそこで生活すればいい。」と言いました。私は返事ができませんせした。そこで生まれた人にとってはそこでの生活がすべて。どちらが幸せだということは言えないということを知りました。彼らは与えられた環境の中で一生懸命生きていたる、ただそれだけのことでした。
また、マザーテレサの施設に行った時、障害をもつ子どもたちに何もしてあげられず「私のようなボランティアには一時的な支援しかできず、この子たちの将来をずっと見守っていくことはできない。じゃあ私ができるボランティアって何なんだろう。」と思いました。その時マスターは、「ならシスターになって一生あそこで働けばいい。」と言いました。また私は勘違いしていました。できることと、できないことがあっていいということを学び ました。全てをやれるわけじゃない。でも私にもできることがある。それを実感したのが、フィーディングの時でした。私が買ったパンを子どもたちが目をきらきらさせながら待っていて、もらうと「ありがとう」と言っておいしそうに食べている。「これでいいのかもしれない、これでいいんだ。」とその時思いました。 リオとリキには本当にお世話になりました。リオとリキはミニマスターですね。マスターの教えがしっかり伝わっていて、これがマスターが目指すものなんだと思いました。私たちのための学校休んでくれてありがとう、ごめんね、ありがとう。
ハッピーキッズのみんなは他の子どもたちみたいに食べ物をねだったりしませんでした。デパートに行って、キキとキコにアイスクリームを買ってあげた時にも、マスターに食べていいかどうか聞くまでは絶対に受け取ろうとしませんでした。1日たくさん歩いて疲れてお腹もぺこぺこなはずなのに。屋台でマスターがジュースを買ってくれた時にも、まず私たちに配ってくれました。この子たちに少しでも笑顔になってもらうために私はここに来たはずなのに、ボランティアされてばかりでした。 帰国して一番最初にお母さんとお父さんに「ありがとう」と伝えました。そしてこれからは、将来小児の理学療法士になるために大学で勉強しているんだ!って胸をはって言えるように勉強します。お母さんお父さんありがとう。ご飯を食べる前の合掌の時、「両親に感謝」というところでいつもいつもお母さんとお父さんの顔が浮かびました。今まで当たり前と思っていた両親の存在。こんなに暖かくてかけがえのないものだということに今更ながら気付きました。そしてなぜだかご飯のおいしさに涙が出ました。今まで当たり前だと思っていた3食のご飯。全然当たり前なんかじゃなかった。もしこのインターンシップに参加しなかったらと思うと怖いです。なにも知らないまま過ごしていたかもしれないこれからの日々を思うと本当に怖いです。本当に本当に濃い2週間でした。素晴らしいものを与えられるばかりで、結局何もできませんでした。フィリピンで出会ったすべての人にありがとうと言いたいです。最高の出会いでした。 ジェニーさん、夜遅くて眠いのにいつもみんながシャワーを浴びるまで待っていてくれてありがとう。ジェニーさんの温かい心に何度も助けられました。 マスター、本当にありがとうございました。本当はとても優しくて、私たちの心の種を育てるためにどうすればいいのか毎日毎日考えてくれていました。こんなに人のことを思ってくれる方に私は始めて出会いました。お体に気をつけてくださいね。マスターはみんなのお父さんですから(*^^*)本当に本当にありがとうございました!