2015年6月1日 3:55 PM
「自分の国の言葉で書かれた本がこんなにたくさんあるんだから、君たちは幸せだ。」
これは、私がカンボジアから留学していた友人から言われた言葉です。
私は大学を卒業した後、大学院に進んで国際協力や途上国の開発について学びました。その時、同じ研究室にカンボジアからの留学生が入ってきたんです。
彼は、カンボジアの農村の出身で、本当に、本当に熱心に勉強をする人でした。一緒に図書館に行った時、彼は目を輝かせて「こんなにたくさん本があるなんて幸せだ」、と言いました。彼は今30歳位なのですが、子どもの頃は、ほとんど本を手にすることができなかったそうです。内戦の爪痕がしっかりと残っていた時期だったので、学校の環境も整っていなかったそうです。唯一持っていた本を、月明かりの下で何度も何度も読み返したと言っていました。
(一生懸命勉強中@カンボジアの村)
彼は、誰よりも貪欲に熱心に学ぶ人でした。「なぜそんなに一生懸命勉強するのか?」と尋ねると、「カンボジアを良い国にしたいから」と迷わずに答えました。彼が学ぶ理由は、実に明確でした。カンボジア社会に存在する格差や農村部の生活にある課題を、人びとに寄り添って解決していける人になりたいんだと。私は、そんな彼の姿に自分の姿勢を正されたことが何度もありました。彼は誰よりも学ぶことの「価値」を実感している人でした。
皆さんは、何のために学んでいますか?
学ぶことの価値を、学べることの幸せを感じていますか?
たまにはちょっと立ち止まって、考えてみるのもいいかもしれません。
ぼらぷらが「村の学校で日本語・英語教育プログラム」を行っている村にも、本当に一生懸命に学ぼうとする子どもたちの姿があります。