[ぼらぷらエッセイ]

『 今私が住んでいる世界に新型コロナウイル・・・』

 今私が住んでいる世界に新型コロナウイルスは大きな打撃を与えただけでなく、様々な影響を与えた。その混乱と変化の渦にいる中で私が見つけたこれから大切にしていきたいことを一つ、ここに挙げたい。
 この新型コロナウイルスが最初に発生したのが中国の湖北省の武漢市であったことやウイルスが世界に蔓延し感染拡大がとまらなくなったことから諸外国で在住中の中国人やアジア人に対する人種差別が増えていたことをご存知だろうか?少し私の実際の体験を共有したいと思う。
 まだあまり感染が広まっていなかった頃の日本では、中国からの観光客経由で日本人が感染したなどのニュースが取り上げられ、感染した殆どの人たちが何らかの経由で日本に来ていた武漢の人と接触があった。中国から感染を恐れ、避難してきたという人たちが取材されていたりした。しかし私は「日本に来ないでほしい」と思わず思ってしまった。ウイルスを持ち込まれると思ったからである。また自粛前、私が乗っていた電車などで、中国人の乗客が明らかに周りの乗客に距離を保たれていた。無言の差別だった。しかしそれは仕方がないことなのではないか?と思う自分も当時いた。だが、やはりこれはあってはならなかったものだと少し遅れながらも、深く様々な視点で考えた末、自分で結論を出し一つの大切なことに気づくことができた。
 ウイルスを恐れる気持ち、自分を守りたい気持ちは皆同じである。しかし恐れているからと言って、差別をしていいことにはならない。それはその人が必ずしもウイルスを持っていたり中国に行っていないかもしれないからではない。それはグテーレス国連事務総長がおっしゃっていたように、今が一番国際社会が結束しなければならないときであるからである。そのためにも全員が平等であるという意識をこの社会に広め人種差別や偏見を撲滅するために、日々自らそのメッセージを発信していきたい。

※新型コロナウイルスの情報は流動的ですので、このエッセイを書かれた当時の個人の意見として捉えていただくようお願いいたします。