実は、去年までの私は、SDGs の認識が低かった。資源ゴミのリサイクルやエコバック使用など、言われるままやっていた行動に過ぎない。しかし、今回のパンデミックが生態系を乱した人間への代償だと気づき、自分の意思で積極的に行動しなければならないという危機感を覚えた。人類の天敵であるウイルスの発生要因は、温暖化による森林火災や天然資源獲得の森林伐採によると言われている。自然環境の破壊で、新種の病原体を持つ野生動物が生息地を追われ人との距離が近くなったのだ。
一方、都市封鎖後、温室効果ガスの排出量が一時的に急減し、大気汚染で霞んだニューデリーのインド門が青く透けた空にくっきりと姿を現した。その新聞の写真は、人間がこんなにも地球を汚染しているのか!という驚きしかなかった。さらに、今年5月には、観光客が消えたタイの海に自由気ままに泳ぐジュゴンの群れが、砂浜に巣穴を作る多数のオサガメが確認された。それは、人間だけが何千年もの間、地球を独占してきたことをあからさまにした。そして、皮肉なことにも、新型コロナウイルスは、地球に優しく、野生生物に恩恵を与えたのだ。
それ以降、私は、高校生による持続可能な社会を考えるオンライン・トークライブに参加したり、各企業のSDGs への取り組みの講演、トークセッションを日頃から視聴するようになった。また、トイレと水の問題で失われていく命を守るために、売り上げの一部をユニセフに寄付している日用品を購入している。家庭の不用品の査定額を途上国の支援額にできる企画を見つけて参加したり、身近な人たちに協力を呼びかけている。私たちが犯した過ちの代償を、弱い国が被っているからだ。
地球上の全ての生き物を尊び、『人間様』という態度を捨てて、謙虚に、できることを次々と見つけ、できることから順番にやっていかなければと思っている。