新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり、感染者や死者の数が増え続けています。感染症で苦しむ方に思いを馳せつつ、コロナの一日早い収束を祈りたいと思います。一方で、様々な厳しい状況を目の当たりにする中、一つの問いも浮かび上がってきています。「都合の悪いことは全部コロナのせいにしていいのか」。コロナだから、できないこと、うまくいかないことは当然あると思いますが、コロナ以前から既に存在していた世界の問題や社会の課題もあるはずです。これらの問題が、コロナ禍で改めて浮き彫りになったと言っても良いでしょう。
既にSDGsの課題として提起されているように、世界規模で取り組まなければならない課題、世界のことを自分ゴトとして考える意識・習慣を身に着けたいと思います。その中で、私自身が特に関心を持ち、これからも取り組みたい課題はSDGs第10項目の「人や国の不平等をなくす」です。この課題に関心を持つようになったのは、コロナウイルスが発生する以前に日本の物流工場で働く技能実習生との出会いがきっかけです。私は14年前に中国人留学生として日本に渡り、その当時、日本人学生と同じようにアルバイトをし、同じ給料をもらっていました。それが私にとって当たり前のことで、小さな幸せでもありました。しかし、近年、日本社会では少子高齢化が進行するにつれ、労働力が足りないという深刻な問題も発生しています。働き手不足を改善するため、技能実習生制度を利用し、外国人労働者を雇っています。それは悪いことではないはずですが、出会った技能実習生の話によると、「低い賃金で雇われている」「長時間の重労働をさせられている」、「病気にかかったら、切り捨てられる」という技能実習制度の闇の部分も知りました。私はこのような貧しい人や立場の弱い外国人労働者の側に立ち、問題に目を逸らさず、社会に伝えて、制度の改善を訴えていきたいと思います。