[ぼらぷらエッセイ]

『 「武漢も大変だな。」2019年の暮れ、・・・』

 「武漢も大変だな。」2019年の暮れ、私は新聞をめくりながら呑気にこんな一言を呟いた。「武漢の人々は大変だが、中国全体に蔓延して終わるだろう。」これが私の本音だった。しかし、国内にもコロナが広がり、卒業式も中止となった。私は呆然としてしまい鏡越しの光景を見ているようだった。自粛期間、3ヶ月も閉じ込められイライラしていた時、コロナで壊れてしまった世界を少しでも改善しようと、ボラプラのSDGs研修を申し込んだ。
 カトリックのユネスコスクールに通い、SDGsについて触れてきた。お祈りや宗教の時間には耳にし、奉仕先、寄付先もSDGsの観点を軸に選んできた。しかし、私はSDGsについて知ったつもりになっていた。日本のSDGs達成度について学び、それが違うと気づいた。意外だったことは、1番から6番の内、達成されているものは4番のみだということ。調べていくと多くの事実が分かりSDGsを身近に感じた。日本では6人に1人が貧困で、646万トンの食品ロスがあり、交通事故で毎日9人が死亡している、大人も教育を受ける機会があり、セクハラや不衛生な水が命を脅かす現実がある。私にできることは何だろうか。
どこでもできることは、必要のない電力を消すことやSDGsに取り組んでいる企業の商品の購入、SNSでSDGsに関連した記事を共有し、いじめを注意するといったことが挙げられる。家の中では水の節約やドライヤーの未使用、余り物の冷凍、ドアや窓を使った温度調節、エアコンの温度設定等ができる。外に向かえば、エコバックの使用や紙ナプキンの未使用、道具の寄付、といったことができエネルギーの節約や問題解決に向けての取り組みを増やせる。学校に場を広げれば差別や環境問題、食品ロスといったSDGsへの取り組みが広がる。想像を広げればできることはたくさんある。世界をよりよくしていく為にコロナ渦の下でも足搔き続けたい。

※新型コロナウイルスの情報は流動的ですので、このエッセイを書かれた当時の個人の意見として捉えていただくようお願いいたします。