[ぼらぷらエッセイ]

『新型コロナウイルスが流行して間もない頃,・・・』

新型コロナウイルスが流行して間もない頃,見えない敵に対する恐怖やこれといった明確な対策方法がわからないという心配から,消毒液や石鹸,マスクなどが一斉になくなった。それによって,人々はさらにパニックとなり多くの在庫の確保をしようと何件もお店をまわった。私の家族でも在庫はあるものの,感染予防と心の安心を求め,マスクや消毒液を何本も購入した。
 しかしその一方で,家にマスクの残りが数枚しかないという人もたくさんいただろう。マスクの残量を心配し,学校がある日でも朝早くに薬局に並びやっとの思いでマスクを手に入れたという友達もいた。また,だいぶ高値ではあるが,買わざるを得なかった人もいただろう。
 見えなければ匂いもせずどういうものかさえもまだわからないという恐怖から自分のことしか頭になく,周りの人を想う気持ちはだいぶ薄れてたに違いない。このような状況下で他人を思いやる心が少しでもあれば,その思いやりをもっている人が多くいればいるほど,マスクや消毒液の不足に困っている人を救うことができると思う。
 そのために私ができることは,常に他人を思いやる気持ちを持つということである。新型コロナウイルスという今まで会ったことのないものに対して,自分自身も恐怖や心配の気持ちはあるが,在庫を買い占めた私たち家族とマスクの不足に困っている友達との間にとても大きな差が出てしまっては明らかに不平等であり,そこに他人を思いやる気持ちがないとすれば差は広がり続けるだろう。
 他人を思いやるには日頃から自分だけでなく相手の気持ちを考えて行動することが必要である。それは決して難しいことではないし,誰もが明日からでも行えることである。
 発展途上国においては日常的に食や清潔な水の不足が起きている。国を超えて他人を想う心を日頃から持つことは,パニックな状況下になったとしても変わらず思いやることができるだろう。

※新型コロナウイルスの情報は流動的ですので、このエッセイを書かれた当時の個人の意見として捉えていただくようお願いいたします。