2010年8月30日 3:05 PM
【滞在期間】2010-07-05~2011-07-17 【総評】大変満足 【プロフィール】男性/東京都
(1)参加動機
社会人になって6年、恥ずかしながら自分のために仕事をしてきました。
自分の生活費を稼ぐため、自分の評価を上げるため…。
それはそれで必要なモチベーションなのかも知れませんが、精神的にもう一歩上に行くために自分以外の誰かのために仕事をするメンタリティが必要だと考え、その最も分かりやすい形として、ボランティアを選びました。
(2)参加した感想
人生で最も、子どもになつかれた2週間でした。僕自身、子どもの扱いが上手いという自覚はないのですが、一切警戒心なく抱きついてくる子どもたちが衝撃的でした。それも1人や2人ではなく、5~6人同時。肩車のポジションを奪い合っては喧嘩になります。肩車とおんぶとだっこを同時にやっても、まだ足りません。彼らは遠慮しません。これからインターンに行かれる方は、頚椎症に気をつけてください。
感じたままに笑い、怒り、泣く彼らを見て、自分は感情に蓋をする癖があるな、と自覚せざるを得ませんでした。いつの間にか、欲しいものを欲しいと言えなくなってしまった自分に、4歳や7歳の子どもたちは「欲しいものは欲しいって言えよ」と行動で示してくれました。
逆に、彼らに対して自分が何をできたのか。
子どもの真似をして水を運んだだけ。
子どもの真似をして掃除をしただけ。
自分の半分もしくは1/4しか生きていない子どもに対して、何かを示すことはできなかったのではないか、と思っています。ボランティアを募っている以上は、何かやることが準備されているのだろうという甘えが心のどこかにあったのでしょう。指示待ち感は否めませんでした。ここは反省点です。
ただ、何もできなかった僕がフィリピンを去るときに、多くの子どもたちが涙を流してくれたことが忘れられません。こうであったらよいなという希望的観測ですが、子どもたちからすれば僕は「何もしてくなかった」わけではないのかも知れません。鬼ごっこにしろ、積み木にしろ、飽きるまで遊びに付き合ってやること。そんなことはボランティアだとすら思っていませんでしたが、彼らにしてみれば、嬉しかったのかも知れません。自分がいなくなることで号泣してくれる人が何人もいる、それを見て自分も泣いてる、こんなことは初めての体験でした。
こんなに胸が切なくなるようなことがこの先の人生で何回あるのだろうと思うと、今でも涙が出ます。
心から感謝しています。
(3)今後、この経験をどのように活かしたいか
不思議なほど自然に、自分を卒業できました。自分のために仕事をしている暇があったら、彼らのために仕事をしたい。
不思議なほど自然に、そう思えるようになりました。それをビジネスとして成立させるには余程の工夫が必要ですが、ここは今の時点では答えが出ていないところですが、まずは死ぬほど悩んでみようと思います。