2011年12月28日 2:58 PM
私はあと4週間でインドでのボランティア期間を終え、カルケリを離れなくてはいけません。これまで生きてきた時間よりも多くのことを、このたった1年間で学んだ場所を離れなくてはならないのです。私は自分自身のついて知り、将来どうなりたいのか、より明確なビジョンを持つようになりました。また、本当に新しいことで、今では私にとってとても重要なことを他にもたくさん学んだので、それを持ってドイツに帰り、日々の生活で実践したいと思っています。
確実にその中の一つに入っているのが、シタール(楽器)を演奏することと、ヒンドスタンの伝統音楽全体への興味です。私が生活しているカルケリ音楽学校(The Kalkeri Sangeet Vidyalaya)はこの素晴らしい音楽について知るのに最高の場所です。この学校は経済的に貧窮した家庭から来る子どもたちの学費をとらない全寮制の学校です。ヒンドスタンの伝統音楽を教えることを主にしていますが、アカデミックな授業も大切にしています。
カルケリに一定期間住んでしまったら、この特別な音楽に感銘を受けずにいることは不可能です。子どもたちのフルートやタブラ(北インドの太鼓)、発声の練習で目覚め、眠るときまでずっとこの音楽が耳元で響いているのです。私は到着して4週間後にシタールという楽器を選択しました。その音色は本当に神秘的です。私は、代々シタールを演奏し、教えている家庭の出身で、シタール奏者としてよく知られたHameed Khanさんと授業を受けています。
ヒンドスタン音楽はどんな西洋の音楽とも全く異なります。例えば、ピアノでバッハを弾くとき、譜面通りに弾かなくてはなりませんが、ヒンドスタン音楽はもっと自分なりの解釈の余地を残してくれるのです。その基礎は遠い昔に書かれた2,000以上のラーガ(インド特有の旋律型)で、それぞれのラーガは1音階から作られる一つの特別なメロディを持っています。同じ音階に2つのラーガが存在することはありません。繰り返すメロディに戻ってきさえすれば、その一つのラーガの音階の中で即興し、あなたの表現したいとおりに演奏することができるのです。
また、音楽以外でもインド文化のいろいろな面を見ることが出来ました。カルケリはカルナタカ州の中央部に位置するとても小さな村なので、人々は今でも伝統的な生活を送っています。インドの結婚式(その多くが未だに両親によって決められたものです)にお邪魔する機会もたくさんありましたし、インドのお祭りにも参加しました。例えば、すべての村人たちが参加する象の顔をもつ神様、ガネーシャのお祭りなど。でも、私にとっては、大切な存在になった子どもたちみんなと過ごした日常の生活が、なによりも重要でした。
私はもうすぐここを去らなければならないと思うととても悲しくなります。今年、私は本当に多くの、素晴らしく、新鮮で、異文化の、そして時に大変な経験をさせてもらいました。私にとって特別な意味のある年になりました。音楽と、子どもたち、そしてたくさんの愛で包まれたこの生活をもう一度するために私は絶対に、できるだけ早く、カルケリに戻ってきます。