『自分の生活を振り返ろう』
「私にとっての日常は誰かにとっての非日常である。」SDGsについて理解を深めていくうえで、何度もそう感じさせられた。朝起きて顔を洗って朝食を食べる。電車に乗って学校へ行き授業を受けて自分の家に帰る。自分ひとりの時間、家族と談話しながら夜ご飯を食べる時間。きれいな水の貯められたお風呂にゆっくりと入って寝室に入って一日を終える。これが私にとっては当たり前だった。
しかし、SDGsについて学び世界の現状を知っていく中で、私の今の生活には無駄が多いことに気づかされた。衣服を例に挙げると春夏秋冬、日本には四季があり季節に応じて服装を変える。日差しが強く暑い日には半袖を、風が冷たく雪の降る日には長袖を。それは気温に応じて体温を維持するために必要なことである。しかし、毎年流行が変わり、去年着ていて今年も着られるのに流行は終わったからと捨ててしまう人は現代の日本だけでなく、特に先進国においては多いのではないか。食品においても同じことがいえる。使い切れない食品を買っておいて、賞味期限が切れたから、おいしくないからと捨てている人もいるだろう。食品ロスにおいては日本において大きな課題となっている。1年間あたり1家庭につき6万円もの食品廃棄が行われている。
ここで私が読んだ一冊の本「この世界を知るための大事な質問」からいくつかの国の現状を例に挙げるとする。一つ目の国はブルキナファソである。アフリカの国で最も貧しい国の一つで、サハラ砂漠の南側、西アフリカに位置している。1970年代以降雨の降る量が少なくなり湖の大きさが10分の1になった。またサハラから風で運ばれてきた砂により砂漠化が進んでいる。気温が40℃を超える採掘場に70キロ離れた村から出稼ぎに行き、一日中鉱石を削ってわずかな収入をえる少女たち。家が狭く、兄弟がたくさんいるため街灯の下で勉強する少年。
二つ目の国は、レソト王国である。アフリカ大陸の南端、周囲を南アフリカ共和国に囲まれた中に位置し国土の大半が標高の高い山岳地帯にあるレソト王国では、平均寿命が驚くことに35歳だったのである。なぜか。HIVの感染率が高かったにもかかわらず、情報の少なさ、通院の難しさ、医師、看護師の不足から適切な治療を受けることができなかったのだ。現在では、適切な治療をうけられる子供が増え、HIVに対する知識を広め、感染者のケアや、偏見をなくすためにサポートグループがつくられたこともあり、平均寿命が53.9歳に回復した。
そして最後に、ライブアクティビティーで交流したカンボジアだ。タイの市場に物売りや出稼ぎに行く人が多く、その中には10歳未満の子供たちも含まれており、不法労働で保護されてカンボジアに強制送還されることもある。しかし、そうでもしないと生活が成り立たない人たちの立場を考えると、何とも言えない気持ちになる。また、普段は村で生活している人たちがブローカーとして、子供たちを人身売買することもある。子供たちは、労働に励みとても学校に行ける状況にない。
このように、毎日生活のが苦しく、明日を迎えることに必死に生きている人々がいる。きれいな水を飲めること、体調が悪くなったら病院に行けること、学校で授業が受けられること、自分の家を持つこと、公共交通機関をりようできることなど、あまりにも今の生活が恵まれていることに気づかされた。今回SDGsについて学んだがあらゆる問題について自分事化しながら、個人でできることについて考え、実行し、これからもSDGsに関する知識を得ながら物事を広い視野で考えていきたいと思う。