『「SDGs=新文化形成」』
SDGs「持続可能な開発目標」と聞くと国や行政が取り組むモノと捉えられる。その原因として「持続可能」「開発」といった馴染みのない表現がされていることが挙げられる。さらに、内容を学んでみるとSDGsの性質や基本理念を基に17の目標が掲げられて、各目標はとても規模が大きく見えたこともその原因の1つと考えられる。だが、よく考えてみればそれらは決して難しいことではなかった。
今私たちがこの目標に向き合わなければいけない状況になったのは、「楽(らく)」を求めた結果ではないだろうか。移動手段が歩くことしかなかったため、より速く移動できる手段として車を生み出した。その結果廃棄ガスによりオゾン層が壊される→二酸化炭素の上昇による気温上昇→氷河の崩壊→…といった負の連鎖が起きた。ガスを導入したことで、山で薪を拾う必要がなくなり、山が荒れ放題になり、今まで生息できていた動植物も育たなくなった。これらは飽くまで環境に視点を当てた場合であるが、その負の産物のしわ寄せが今にきている。見方を変えれば、それまではうまく環境と人間と社会が調和しながら生活できていたのである。では、かつての生活に戻れば良いかといえばそうではない。むしろそれは不可能である。技術革新により私たちの生活が豊かになったのは事実であり、サービス業があるおかげで私たちの娯楽が増えたことも決してマイナスな発展ではない。そしてそれによって破壊したもの、失ってしまったモノがあったのも事実である。これまでの行いの失敗は、自分たちの「楽」ばかりに意識をおき考慮すべきことを見落としていたことである。そこでこれから行うべきは、いまある現状をふまえて考慮事項を意識した新しい文化(・・)(以後「新文化」と書く)を形成することである。その考慮事項というのがまさしくSDGs17の目標である。かつての日本の文化でうまく調和の保った社会ができていたのならば、必ず今ある現状から調和の保った文化を形成することができるはずである。文化とは守るものではなく、環境・人間・社会に合わせて変化すべきモノである。今までの負の連鎖を裁ち切り、正の連鎖を生む文化を形成するのが今である。
では、今私たちが新文化を生み出すためにできることは何か。私が考える方法は3つ。一つ目は、私は教育に携わる者として言いたいのは、日本はほぼ達成している「4質の高い教育をみんなに」。まずは学校の授業をまじめに受けることである。新文化を形成するにあたって様々なことを考慮に入れながら開発するにもまず考える力が必要である。学校は知識を増やすだけの場所ではない。その知識をどう生かすかを学び使えるように訓練する場である。学生や子どもたちにとってはこれが最も身近な方法だ。二つ目は、今行われているSDGsに向けた活動に積極的に参加する事である。マイバック、ラベルの付いた商品を買うなど、必然的に行う消費者生活の中で少しそこへ意識を向けるだけで、協力ができる。そしてそれは継続するといずれ文化となる。三つ目は「楽(らく)」ではなく「楽しい」未来を想像し、今ある現状がどうなってほしいかを考え、見通しをもって活動に参加し、自分で活動を行ってみることである。
3つの方法を挙げたが、やはりどんなに達成目標は大きくても達成のためには小さなことからしか始められない。逆に考えれば小さいことしかできないのなら、誰にでもできるということである。できることはもっとある。今後ともできることを見つけながら「楽しい」未来を作りたい。
満足
コロナ下でもできるボランティア活動を探していた、SDGsについて学びたい、子どもたちと交流がしたい
勉強になった!
いい経験になった!
SDGsを自分ゴトとして捉えられるようになった!
海外のボランティアとSDGsに興味があり、海外の子供達の成長に関わりたかったから
今まで他人事として聞き流していたSDGsという言葉が他人事ではなく、自分事として捉えやすくなったことは大きな成果だった。規模の大きい話のように聞こえるが、実は今の生活に少し変化を加えるだけで目標の達成に近づくことができると気づけた。もちろん、自分が意識することでできることはたくさんあるが、それだけでは目標の達成にはほど遠い。達成のためには協力が必要であり、全員が当事者になる必要がある。人の行動をコントロールできることはできないが自分の行動は自分の意思次第でどれだけでもコントロールできる。だからこそ、SDGsのための活動を呼びかけたり、見本となる行動を心がけようと思えた。今回の研修で、少なからず目標の達成に加勢できたのではないかと思う。完全な達成のために、今の生活を見つめ直し、変化を続けていこうと思う。
今できることを継続し、見本となる行動を心がけ、まわりに何気なくSDGsの存在と行動すべきことを伝えていく。
思い切って取り組んでみることにより、僅かでも視野は広がるだろう。その広がりの大きさを決めるのは自分次第である。