『アジアの言語教育に日本はついていけるのか』
私はこれまで日本の学習水準はアジアの中で高いと考えていたが、言語教育面において、それは間違っていたようだった。アジアでは母国語の他に英語を初等教育段階から学び始めるケースが多い。それはこれからの国際化に向けた国家の教育政策である。地域や民族、部族ごとに言語が異なるケースもあるため多民族国家では、言語教育が進みづらいとされているが、いまや多くの国が英語だけで無く第二外国語の教育にまで力を入れている。
はじめに日本の言語教育について説明したい。日本は古くから単一言語、単一民族国家として存在してきた。そのため基本的には日本語を共通の母国語として生活する民族が中心となっている。ところが近年は200万人以上の外国人、特にアジア圏の人々が多く暮らす移民国家としての側面も持つようになった。しかし、依然として日本人の英語のレベルは低く、TOFELテスト(英語四技能テストの一つ)ではアジアの諸国の中で平均点が2番目に低いというデータがあるほどである。
そのため、平成15年に「英語が使える日本人」の育成を目指した計画を文部科学省が発表して以来、初等教育段階から英語教育を導入する動きが、私立、公立小学校ともに進んでいる。しかし、小学校によって活動内容や授業時間数にばらつきがあるため、教育の機会や水準が平等とはいえない。またそれにより、中学校入学時の英語力にも差が生まれてしまっているのが現状である。また、大学では第二外国語が必修となる大学が多いが、高等学校の段階で第二外国語を学ぶ学校はほとんどみられない。
次にアジア諸国の外国語教育と比較してみたいと思う。今回私が参加したプログラムのカンボジアの小学生たちは母国語の他に、英語、日本語を学び、将来的に観光客への接客などで具体的に外国語を使うことを想定して教師は指導し、生徒たちは勉強をしていた。私は日本での言語教育との意識の差に非常に驚いた。日本人で英語を小学校で教える、または学ぶとき、それらを実際に将来使用することを前提にしているひとはほとんどいないのではないだろうか。
例としてフィリピンの外国語教育について考える。フィリピンでは公教育の全段階において、英語とフィリピノ語によるバイリンガル教育が採用されている。そのうえ、初等教育、中等教育では英語の他に理数系の科目は全て英語で授業が行われている。私自身、生物について英語で勉強したことがあるのだが、その際に出てくる専門的な英単語を日本ではカタカナ読み、または直訳したもので教えている。しかし、論文を読む際、書く際に必要な英語の能力はもちろん、本格的な研究のための海外留学などを考えると、理数系教科は初めから英語で教育を行う方がよいのではないか。未来への投資と言われる基礎研究分野で日本が最先端から退いてしまったこともここに由来するのかもしれない。
日本は先進国であり、アジア諸国の教育や、国際化に向けた支援を行なっているが、手を差し伸べようとしている国々はもうすでに日本よりも高い水準で未来を見据えた教育を行なっているのかもしれない。質の高い教育をみんなにという目標で日本は世界トップクラスのように見えて、言語教育の分野では時代から遅れているようにすら感じてしまう。そのため、日本は言語教育の改善において北欧の先進国ではなく、言語教育の進んだアジア諸国の教育方針などを参考にすることも必要だろう。
SDGsをはじめ、世界共通の目標に取り組むにあたって、今一度日本は自国で行われている言語教育が、世界が一体化する中で通用するのかを考え直すときなのではないだろうか。
満足
子どもたちと交流がしたい
一生モノの学びになった!
すごく良かった!
視野が広がった!
勉強になった!
いい経験になった!
SDGsについて行動したくなった!
SDGsを自分ゴトとして捉えられるようになった!
LIVEボランティアが楽しかった!
ボランティア活動や教育に興味があり、参加したいと考えました
参加した感想は、カンボジアの子供たちとオンラインを通してでも交流する機会が持ててよかったなと思います。最後の方は自分の予定が忙しくなってしまい、ライブアクティビティにも参加できなかったことが残念ですが、参加できた回はとてもたのしかったです。
実際に現地に行くのとはやはり感覚や距離感が異なるんだろうなとも感じたのでいつか実際にカンボジアで交流してみたいです。
海外の人と交流をとることがオンライン上でできる時代ということも生かして、世界の多くの人とコミュニケーションをとってみたいと思いました。そのためにカンボジアの子供たちと同じように自分も世界で使える言語を話せるように勉強を進めることが必要だと思いました。
楽しいです!