『今、未来を変えるための一歩を。』
私達が生きる今、様々な差別に対して「差別をなくす」ための運動が行われているが、本当にその差別は無くなっているのだろうか。私は無くなっていると思わない。ひと昔に比べれば建前上は「差別を無くそう」としていると思うが、とはいえまだ改善する余地はあると思う。例えば男女差別の面だと、2007年、松江市で開かれた自民党県議員の決起集会で当時の厚労相だった柳沢氏が女性について「産む機械」と発言したという事があった。この出来事は社会から批判されたが、それでも政治に大きく関わる人物が男尊女卑の考えをしていた事は、現状男女平等が実現されていると言えないことを示唆しているだろう。では、このように未だにある差別は私達がどのような行動をしていけば改善されるのだろうか。本文章では男女差別に焦点を当てて話そうと思う。
そこで私が提案するのは、強制で男女が関わらなければならない機会を作り、相手のことを知ってもらう、という事だ。これは、主に教員を志望する際に実行される。現状、女性教員自体は少なくないが、管理職につく女性教員は異常に少ない。令和2年度の文部科学省による「学校基本統計」では、小学校の女性校長は約20%、中学校は約7.5%、高校は約7.7%、特別支援学校は約23.9%と発表されている。この背景は、女性教員は職位に関わらず家事・育児・家庭生活の負担が大きい事、力量不足であると認識されている事、等が考えられる。また、これらは私達が性別の役割を無意識に固定している事が大きな原因であり、これこそが職場などにおける様々な慣習や、いつまで経っても男女差別が行われてしまう大きな原因であるのだ。そのため、これらが改善されるには、まず私達が無意識に行っている差別を辞めなければならない。ではここで先程の「強制で男女を関わらせる機会を設ける」ということを実行してみては如何だろうか。無意識な差別の前に、自分で自分と相手が対等であると実感するようにすれば、いざ自分が社会を担う時に、男女差別は起こらないのではないか。具体的には、女性の管理職が少ないならば、男女教員を志望する際に必ず男女で志望しなければならないという規則を作ってみてはどうか。管理職云々の前に、まず教員になる時に男女ペアで志望させれば、男女がお互いのことを知る機会になる。相手のことを知らないから、固定概念がある。だから、相手を強制で知る機会があれば、お互いの実力を知ることができ、固定概念に縛られずに管理職を選ぶ事ができるようになるのではないだろうか。実はこれは、フランスの県議会で行われた「男女ペア方式」というものを基にしている。これは男女ペアで立候補しているペアの中から有権者が1組選び、投票するというものだ。事実、この選挙方式によって全国の県議会が一挙に男女半々になった。だから事例があるこの方法を違う面からも利用してみてはどうか。そして、男女ともに異なる点があるお互いの魅力に気づき、対等に生きていくことに繋げられれば、それは男女差別が無くなる事に大きく影響するだろう。
最後に、序論の問いに対しての答えだが、私は「まず相手のことを知り尽くす」ということが挙げられると思う。ただ話すだけでなく、自分と違う未知の誰かと切磋琢磨し、相手の実力をまず自分が知るということから、相手に対して様々な思いを抱けるようになる。不足している自分の知識を無意識に理由にして勝手な固定概念をつけず、自分の発言・考えに責任を持っていけるようになろう。教室で隣にいる人だって、よく知らないあの人にだって、同じ事が言える。まずは身近なところから、少しずつ行動していこう。