『日本とヨーロッパの共通点と差』
2021年、日本はSDGSの達成度ランキングで世界18位になった。
同じランキングで1位〜3位は順にフィンランド、スウェーデン、デンマークであった。
三国ともヨーロッパの国々である。それどころか、1位〜20位までの国のうち、
日本を除いた19国はヨーロッパの国である。
では、ヨーロッパの国々と日本との共通点、ないしは差とはどこにあるのか。
共通点についてだが、どちらも所謂「先進国」であることが挙げられる。
日本のSDGS目標別達成度を見ると、毎年高い目標とそうではない目標が
明確に分かれていることがわかる。例えば、4番の「質の高い教育をみんなに」が
毎年高水準であることは、まさしく先進国であるが故だと言える。これが高い傾向は、
他の上位の国々にも見られ、ひとつの共通点と言えるだろう。
実際に、日本には9年間の義務教育期間があり、今やほとんどの人々がその先の
高校や大学に進学をする。
また、12番の「つくる責任 つかう責任」や13〜15の
環境についての目標の達成率が低い。という共通点もある。
これらも先進国であるが故の結果であると言える。なぜなら
技術革新が進むほど地球本来の自然的なものは廃れていくからである。
では逆に差異点とはなんだろう。ひとつ例を挙げるとするのならば、
5番の「ジェンダー平等を実現しよう」という目標について、
ヨーロッパの国々はある程度の達成率を誇っているのに対し、
日本は著しく低いということである。ここは明確な差であり、
日本における課題のひとつでもあると言える。
しかし、日本は9番の「産業と技術革新の基盤をつくろう」が
他の国と比べて非常に高いという一面もある。ではここにおいての「技術」とは
なんだろう。日本製の製品は、他国産のものと比べて品質が高く安全だという
特徴がある。つまり、この場における「技術」とは、生み出したものの品質のことを
指しているのではないか。
まとめると、SDGS達成度が上位の国々には、先進国だという共通点がある。
それらの国々における課題は、まさに先進国であるが故のものであると言える。
では逆に、発展途上国ならばそれらの課題の達成度は高いのだろうか。
そうとは言いきれない。実際に、環境問題についてのSDGSの達成度は、
世界的に見ても低い傾向があるからだ。環境問題は、世界全体で取り組むべき
課題のひとつであると言える。
また、日本独自の問題として、ジェンダー問題が挙げられる。
最近でこそそういった風潮があるが、現時点で達成している
ノルウェーなどと比べては、まだまだ意識の範疇をすぎない。
他国では達成している国もある課題については、現状に必ず解決法がある。
故に、SDGS達成にむけて、まずはそういった独自の課題について
取り組むべきだと私は考える。