『コロナ禍のグローバル・シチズンシップ育成方法とは』
「質の高い教育をみんなに」の4.7には、「グローバル・シチズンシップ=地球市民の精神を、教育を通して習得できるようにする」というターゲットが掲げられている。コロナ禍の現代においては、実際に生徒達を海外研修に送り出すことは難しく、世界との接点の見出し方を今一度考え直す必要がある。では、教員はどのような方法で「グローバル・シチズンシップ」育成に取り組むことが出来るのだろうか、以下に3点考察する。
1点目は、オンラインで交流が出来る機会があることを生徒に示すことだ。
例えば、本研修のように現地に赴かずとも子ども達と繋がることが出来る場があることを示すことで、実際に一歩踏み出すきっかけに繋がるだろう。今いる場所からアプローチし、子ども達からリアクションをもらえるという経験が学生時代に出来ることは、生徒達の行動変革の一助となるはずだ。
2点目は、オンラインで実際に世界の状況に触れる場を授業で取り入れることだ。1点目のようなオンラインの学びの機会があることを提示しても、主体的に一歩踏み出せない生徒が多いのは実情だ。それであれば、学校の授業で全員に向けてオンラインで世界の状況に触れる時間を持つことが、より有効だろう。
例えば、私自身は、文部科学省主催の「#せかい部×SDGs探究」の方にコーディネートをして頂き、HRクラスの高校3年生に向けて、タンザニアの女子中学生が置かれている状況について、タンザニア駐在員の方に授業を行って頂くという機会を設けた。貧困と教育やジェンダーなど多角的な視点からお話を伺うことで、生徒達に、海外との接点を持つ機会を提供することが出来た。「いつか自分で現地を訪れたい」という前向きな姿勢が生徒たちの感想から見て取れたことからも、こうした機会の有用性が伺える。まだまだ、海外との接点を学校が持てるプラットフォームが多くないことは、課題ではあるが、未来の担い手である子どもたちに積極的に提供する場を設けることは、教員の役割の一つだといえる。
3点目は、自身の取り組みや考えを積極的に発信していくことだ。
例えば、私はLHRや総合的な探究の時間などを通して、以前自身が参加をしたモロッコでのスタディーツアーの話をした。写真を見せつつ、交流の内容を示すと共に、女の子の中には家事手伝いがあり、丸一日学校に通えない子ども達がいることなど、ジェンダーや貧困をテーマとしながら、自分の気づきを発信する機会を幾度も設けた。こうしたSDGsに関する発信をしたことで、クラスの97%の生徒達が自分自身の進路とSDGsを結びつけられるようになったと回答している。また、推薦入試等の志望理由書にも、SDGsに関する内容が織り交ぜられており、生徒達が「自分ごと化」し、大学の学びや将来と結びつけていることが分かる。
以上のように、グローバル・シチズンシップ育成に向けて、教員が出来ることは、「オンラインで交流が出来る機会があることを示し促すこと」・「オンラインで世界の状況に触れる授業を実施すること」・「自身のSDGsに関わる取り組みや考えを発信していくこと」などがあげられる。このように、コロナ禍であっても、学びを止めることがないよう、教員が意識をすることが大切だといえる。
SDGsの課題は身近な所にあり、様々なアクションを起こせるものである。よって、年代・世代を越えて知恵を出し合えることが醍醐味だともいえる。これからも、目の前の生徒達、そして社会の人達と共に学び、行動し、共有することで、未来への小さな種まきをしていくことが、私が出来る貢献だと考える。
満足
SDGsについて学びたい、子どもたちと交流がしたい、社会問題に興味がある
視野が広がった!
SDGsを自分ゴトとして捉えられるようになった!
LIVEボランティアが楽しかった!
SDGsについての学びを深めたいと考えたから。
また、生徒たちに、オンラインでの学びの可能性を提示したいと考えたから。
ライブアクティビティに参加できたことが一番良かった。自分の家からリアルタイムで現地と繋がる場が提供されており、今いる場所からアプローチし、子ども達からリアクションをもらえるという内容だったため、コロナ禍でも出来る活動があることを実感した。
まずは、目の前の生徒達に還元していきたい。
コロナ禍だからと諦めずに主体的に学びを深めて下さい。