『貧困ゼロのの世界へ』
「嫌だなぁ。」そう言いながら毎日通う学校も、毎日食べられる暖かくて美味しいご飯も水道の蛇口をひねれば流れ出す綺麗な水も当たり前だと思いながら生きるこの日常がどれほど幸せなことか、あなたは気がついているだろうか。
世界では6人に1人の子どもが「極度に貧しい生活」を強いられている。世界の貧困率は1990年の36%から2015年には、10%に減少した。しかし、今もなお貧困には苦しむ人々は世界中に7億人以上もいるのだ。そのうち70%を南アジアとサハラ以南アフリカの国々が占めている。貧困問題は発展途上国や後進国だけのものだと思われがちだ。しかし、先進国でも3000万人もの子どもが貧困の中で生活しているのだ。
貧困の定義とはなんだろうか。貧困は金銭的な貧しさに加え、医療や教育、水道や電気などの基本的なサービスを受けることができないなど、一定水準以下の暮らしを送る人々や公正な権利や機会を得られない人々のことを指す。
そもそもなぜ貧困が起きてしまうのか。その原因としては失業や疾病、紛争や災害など多くのものがあげられる。いつ自分の身にこのような最悪な事態が降りかかり、自分自身が貧困に苦しむ立場になるか分からない。
貧困に苦しむ子どもたちの中には服や靴を買えず、不衛生な環境で暮らしている子どもたちが多くいる。幼い頃から仕事をし、家族を支えている子どもも多い。教育を受けられず大人になり、不衛生に対する知識が無いまま子どもを育て、その結果、子どもが病気や貧困に苦しみながら生きることになるのだ。教育がいかに大切なものなのか気付かされた。
世界中の貧困に苦しむ人々を救うためにはどのような対策があるのだろうか。貧困の解決には継続的な支援が必要なのだ。NGO団体による開発援助や病院や学校などの基本的サービスの整備など、現地の人達が仕事を持続的に生み出し、自給自足していくための支援が必要となる。
具体的な対策としてはフェアトレードがあげられる。日本では食品や日用品が安く売られている。しかし、その安さの裏側には、人件費の削減により適正な賃金が払われない人々がいるのだ。フェアトレードでは労働者が安全かつ適正な労働をすることを目指していて認証を受けた商品は専用のラベルが貼られている。この商品を多くの人が買えば適正な賃金で働ける人が増える。また、基本的なサービスを全員が平等に受けられるようにすることも大切だ。貧困に苦しむ人々の多くは自分の銀行口座を所有しておらず、貯金をできる環境すら整っていない。そのため、口座開設に係る料金を軽減し、誰もが平等に基本的サービスを受けられるようにする必要がある。
実際、ここまでの解決策を見ても自分たちが何をすべきなのかあまりピンとこないだろう。そこで私たちにできる対策をいくつかあげよう。
1つ目は貧困についてもっと理解を深めることだ。多くの人は貧困への理解が浅く、今の現状がこんなにも深刻だということを知らないであろう。自分から進んで貧困いついての理解を深め、貧困に苦しむ人々を救いたいという気持ちを強めることが大切である。
2つ目は募金だ。ほんの僅かな募金でも世界の人々を、多くの命を救うことができるのだ。貧困問題への解決は私たち一人一人の手にかかっているのだ。しかし、募金やボランティアには継続性がないことが課題としてあげられており、個人が参加しやすい環境を整え、継続できる仕組みを作っていく必要がある。
世界中の皆に仕事があり、適切な賃金をもらい、毎日満足に食べられて、全ての子ども達が教育を受けることができる。そんな2030年が来ることを期待している。