[ぼらぷらSDGs小論文]

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『実情・原因を知ることの大切さ』

小論文

『実情・原因を知ることの大切さ』

(800~1500字でまとめていただく様式です。)

日本では、学校へ入学すると、教材を買うのが通例である。さらに、学校には必ず先生がいて、どんな科目も学ぶことができる。私たちはいつでも学ぼうと思えば学べる環境にいる。私は研修前まで、日本と違ってカンボジアは不便なところという認識しかなく、なぜ大変なのかを考えたことはなかった。しかし、その国の問題の実情・原因を知らないことには効果的な支援とは程遠いままであり、問題の解決とは程遠いままであると考える。
世界的に見ると、1億1500万人の子供たちが学校に通っていないといわれている。この数は日本の不登校の子供の数である28万7747人の約400倍である。学校に通えない主な理由は、家が貧しくて家計を助けるために働かなくてはならない だからだそうだ。それは私たちが授業を行ったカンボジアでも同じであった。ただでさえ貴重な労働力である子供を学校に通わせているのだ。それだけで既に厳しいのに、金のかかる教科書など買う余裕はない。教材が全くないというわけではないが、日本語の教科書を一人一冊ずつ持っていなかった。そのため同じ教科書や単語集をみんなで何年も、ページが何かの拍子で破れてもおかしくないくらいボロボロになるまで使いまわしていた。それでも、必死にノートに板書や単語を写す。そこには勉強のために、家の手伝いや仕事をしないで、学校に来ている子供たちがいた。現地の日本語を教えている先生に聞いたところ、東南アジアで手に入れやすい教材を使っているので、質の高いものを手に入れにくいという。せっかく学校に通えたとしても、質の高い教育を必ず受けられるとは限らないのだ。
次にカンボジアの教員の数についてみていきたいと思う。国の規定で教員一人当たりの生徒の数は初等教育4年生以降、40人以下が適正とされているが、実際は教員一人当たり約44人。こうした教員不足により、授業が二部制になっているため子ども一人当たりが授業を受ける時間は1日4時間ほどといわれている。教員の数が足りていないことが伺える。この理由として挙げられるのが、経済的理由だ。教員を目指す地方出身の学生が経済的な理由でアルバイトに時間を費やさざるをえず、学業(教員課程)に専念できないのだ。教員の給料の低さも理由として挙げられる。カンボジアの教員の給料は、2013年に約78ドルだったものが、2017年4月には約3倍の230ドルに伸びている。しかし、カンボジアの生活水準としては最低でも世帯収入として300ドルが必要だと言われている。そのため、教員は副業をしている人がほとんどだそうだ。都市部では教員をしつつ、塾講師をする人も少なくない。つまり、カンボジアでは教員を目指すのも、教員になった後も大変なのだ。
 そのため、カンボジアではせっかく学校へ通えたとしても、十分な教育を受けられるとは限らない。そして、その背景にこの様な理由があることはかつての私も含めて多くの人が知らないままだ。しかし、ぼらぷら研修を通して私はこの問題が存在するということ知り、解決するために具体的に何が必要なのかを知ることができた。まず、どんな問題が起きているのかを知る。次に、何が原因でその問題が起きているのかを知る。そして、それを解消する。例えば、飲み水を汲みに遠くまで行かなくてはならず、学校へ通えないのなら、井戸を作るといった具合だ。そうすることで、水を遠くまで汲みに行く必要はなくなり、学校へ通うことができるようになるだろう。このように問題の実情・原因を知ることで、教育のみならず、その国の抱える問題の解決につながるはずだ。

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