[ぼらぷらSDGs小論文]

紹介割コードin706135eae
わたしのSDGsアクション

『自然と共生していくために』

小論文

『自然と共生していくために』

(800~1500字でまとめていただく様式です。)

 猫型ロボット、宇宙旅行など、未来という言葉からは、たくさんのワクワクする世界が連想される。しかしながら、環境という切り口で見た時には、資源の枯渇や異常気象などの暗い未来ばかり連想される。そのため、環境のために我慢をしなければならない。プラスチックを使わず、電気も使わず、我慢しなければならない。私はそんな考え方ばかりが溢れているのが嫌である。
 というのも、私は幼いころから自然と触れ合うことが大好きだ。毎年家の庭で野菜を育てたり、家族で川へアユの掴み取りに行ったり、長期休みには農業のお手伝いに出向いたりもした。初めて清里に訪れジャージー牛に出会ったときは、その可愛さに虜になって何度も通った。農業のお手伝いでは、農作物の周りに生息するたくさんの生き物に触れ合い、それぞれが関わり合いながら生きていることを身に染みて感じ、生態系のすばらしさを知った。
だからこそ、自然のために我慢しなければならない苦痛なこと、ではなく自然からの恵みを受け、共存していくワクワクする未来を目指したいと考えている。
その思いのもと、これまで、環境問題に関しての文献を読み漁ったり、自然保護のレンジャーズプロジェクトに応募したり、自然と人類が共存できる環境をどのように作れるかを学んできた。
 その中でも、私は山村留学などがいいのではないかと感じている。 なぜならば、「自然体験」は自然に対するリスペクトを育み、そしてしっかり環境配慮行動につながることが示されているからだ。実際、2022年度に発表された杉田真緒・甲斐田直子による研究論文では、環境問題に関心をもったきっかけを本やメディアから得た人より、きっかけが自然体験と回答した人は他の回答と比べて環境問題への関心が有意に高いことを示した。加えて、同論文では環境問題を意識するきっかけになるほどの自然体験は、現在の環境意識・環境配慮行動を高めることが示唆されると述べられていた。行動変容は2021年のkmasのreview論文で1241本もの行動変容の研究に言及していることからも非常に注目を集めている研究テーマであり、その行動変容を促す自然体験を提供できる山村留学を拡充していくことは、環境保護に向けた取り組みの一つとして期待できるのだ。
 さらに、私自身の考えとして、自然体験による行動変容は環境問題の解決だけでなく、人類の内面の成長に紐づくと考えている。自然体験を通じて環境配慮行動が促される背景には、「自分の行動が自然にどのような影響を与えるかを考えるか」という想像力や、「その影響を踏まえて自分の行動を変えよう」という思いやりが隠れているからだ。こうした姿勢を育むことができれば、それは自然環境のみならず、様々な世界の諸問題全般に対しても同様の姿勢を持ち、解決に向けた行動を促すことができるだろう。
 私はこれまで環境問題に取り組んできた中で、「テクノロジーが発達すれば、意識しなくても環境を破壊することのない社会になるのだから、人々の意識なんて難しいところにアプローチする必要はない」と言われることがあったが、内面的成長を促すことのできる「自然体験」だからこその意義もあると考えている。自分の行動が地球環境にどのような影響を及ぼすのかを想像し、自らの行動を改められる人類に成長するという意義も含めて、行動変容という観点から環境問題にアプローチしていきたいのだ。