『未来のための国際協力』
私にとってカンボジア研修は、異文化理解と国際的な視野を広げる貴重な体験でした。この研修は、カンボジアの歴史、文化、経済、そして社会問題について学ぶことを目的とし、現地の人々との交流を通じて実践的な知識を得ることができました。
最も心を動かされたのは、アンコールワットをはじめとするカンボジアの歴史を物語る建物です。アンコールワットなどの遺跡は、カンボジアの誇りであり、世界遺産としても知られています。遺跡を巡る中で、クメール帝国の栄光とその後の歴史的な苦難について学びました。特に、ポル・ポト政権下での悲劇的な出来事についての理解が深まり、歴史が人々の心に与える影響を実感しました。このような歴史を知ることで、カンボジアの人々の忍耐強さや希望の象徴を理解することができました。
アンコール小児病院を訪れて、医療がまだ十分に拡大されていないという現実を目の当たりにしました。待ってる人が多く、遠くから来ている人も少なくはないとうかがいました。農村部で暮らす人々からすれば、アクセスが悪く、訪れにくく、SDGS「3,すべての人に健康と福祉を」が達成されていません。しかし、病院内に、寄付者名と寄付金額が書かれた紙が吊るされた木が置いてありました。そこには日本人の名前も多く、500ドル、日本円で約50万円の寄付もあり、病院の拡大は一歩ずつ進んでいるのかもしれません。
はじめは、街の活気に圧倒され、緊張していましたが、カンボジアの人々の温かい歓迎を受け、気持ちがほぐれました。ナイトマーケットは、観光客が集まる市場でもありながら、彼らの生活の一部でもありました。そこで、現地の方々とコミュニケーションをとることで、カンボジアの生活様式や食文化について学ぶことができました。興味深かったのは、値段交渉です。日本には無いシステムなので、これまでにない体験で興味深かったです。ナイトマーケット周辺には、ビルやホテルなどが立ち並ぶ大通りがあり、移動手段にはトゥクトゥクを使用しました。一方で、農村部は道路整備がままならないところがありました。また、農村部の小学校での授業では、子供たちの意欲的な姿勢に驚きました。休み時間には、とてもフレンドリーに話しかけてくれたり、元気よく外で遊んでいたりしたのが印象的でした。ですが、使っていたノートや文房具、縄跳びなどの遊び道具も使い古された物で、質の高い教育が受けられる環境は整っていませんでした。トイレも一つしかなく不便で、SDGs「4,質の高い教育をみんなに」「6,安全な水とトイレを世界中に」を達成できていないと感じました。私はこの小学校で見聞きしたものを通して、無償の援助よりも、カンボジアの産業を発達させる支援をするべきではないかと思いました。
私はカンボジア研修を通して、カンボジアの戦争時代から今に至るまでの歴史を知り、改めて戦争の悲惨さや残酷さを学びました。また、カンボジアの都市部と農村部の格差を感じました。教育や産業を自国の力で発達できるように、先進国が適切な国際支援をしていくべきだと思います。