『「作る」という責任』
私は今回カンボジアに行って、SDGsの12番、「つくる責任 つかう責任」についての考えが変わった。私はこれまで、この目標の達成に必要なことを消費者の目線のみで考えてきた。物を最後まで使うこと、無駄な買い物や消費をしないことなど。
ですが、それだけではいけないと気づいた。なぜそう気づいたかというと、カンボジアでとある光景を目にしたからだ。それは、発展途上国であるカンボジアに大量のプラスチックゴミが捨てられていた光景である。私はカンボジアに行くまで、カンボジアなどの発展途上国にはプラスチックなどはほとんどなく、ゴミもほとんどないと思っていた。しかし実際、カンボジアにはたくさんのポイ捨てされたゴミがあった。そのゴミは、ペットボトルやお菓子の袋などのプラスチックゴミ。その全てがカンボジア国外で生産された物であった。中には、日本産の物もあった。私はこの光景を見て、「つくる責任」というものを強く意識した。先進国で物を生産する時、海外に輸出することを考えた商品を作ることもあると思う。その時、考えなくてはいけないことは国内向けの商品より多くなるのではないかと考えた。例えばそれは、輸出先の国での商品の処分法。カンボジアで、プラスチックをきちんと処分できる場所はどれくらいあって、どの程度の量が処分できるのか。その許容量に収まるように商品を輸出する必要があるのではないだろうか。もしその許容量が少ないと感じるなら、そこについての支援も必要になるのではないだろうか。許容量だけでなく、処分法についても。「処分時に有害物質が出ない環境に優しい商品を作りました」と言っても、それを途上国に輸出した時、それは本当に環境に優しい商品と言えるだろうか。もしその「有害物質が出ない」処理に専用の設備が必要ならば、途上国ではきっと、その処理はできないだろう。
「SDGsの達成には、世界規模での協力が必要不可欠」。そんなことをよく耳にするが、そのことを実際に考えた。先進国が研究をして環境に負荷のかからない物を開発する。それを途上国にも輸出して、そのための設備や人員を支援する。それが「世界規模」ということで、未来のために本当に必要とされていることなのではないだろうか。