『現地の今を知ること』
私は、カンボジア海外ボランティア研修を経験して、自分が今まで思い描いてきたカンボジアの姿と大きく異なっていたことに衝撃を受けた。しかし、それは私に限った話ではなく、共に活動をした仲間やカンボジアでの経験を話した家族や友人にも当てはまることであった。“カンボジアは内戦で大きなダメージを負った国”、“地雷が多く埋まっていて撤去作業が未だに続いている状態”など後進的なイメージで捉えている人が自分を含めて多くいた。事前学習や研修を行ってはいたが、実際に現地へ行ってみると自分が思っていた以上の発展を遂げている街がそこにはあった。
今回の訪問先であるアンコール小児病院の保健医療サービスもそのひとつだ。その小児病院では、貧困を理由に診療費を払うことができない家庭でも無料で診療を受けられるようになっていた。また診療だけでなく、医療スタッフの育成も行われていた。1976年に誕生したポル・ポト政権下では、医師を始めとした知識人を含む多くの民間人が虐殺された影響もありカンボジアの医療は大きな遅れをとっているものの、海外からの物的人的支援を受けながら現在進行形で医療の安定化をすすめている。都市部の街の雰囲気や生活環境もイメージと大きく異なっていた。道路も舗装されていて、ホテルやレストランも多く見られる。また、トイレ等の衛生設備もほとんどの場所で清潔に整備されている。日本はカンボジアのインフラ整備のため、長きにわたって多方面からの支援を行っている。一例としてカンボジアの500リエル紙幣に描かれている二つの橋は、日本の政府開発援助によって無償資金協力で整備されたことが挙げられる。また、首都プンノンペンの上水道に関しては、JICA調査団がカンボジアに入り、現地のスタッフと北九州市上水道局の技術者などにより整備され、現在水道普及率は90%まで改善するという成果を上げている。近隣のラオスでは、2016年度の都市部に限定した水道普及率は70%、ミャンマーに至っては都市給水は各シティコミッティーが管轄しているが、その他の地域には管轄長がおらず水の管理をする組織がない。これらのことから、カンボジアの水道普及率の高さがみてとれる。しかしながら、今回の研修で訪れた農村部では、道の舗装や衛生環境において、都市部との格差を感じる側面もあった。
現地を訪れ、イメージと現実とのギャップに気付いた人がその国の今を発信していくことが重要であると考える。今の時代、誰もがソーシャルネットワーキングサービスなどを通じて、自分の体験や感じたことを世界の人々と共有することができる。それを最大限活用していくことが、自分や身近な人が現地を訪れなくとも、現実とイメージとのギャップを埋めていくことを可能にする。発展途上国という漠然としたイメージを持っている国に対して、多くの人が、その国の現在の姿に近いイメージに塗り替えることで、社会全体の問題に対する意識を身近なものに変えたり、高い関心を持たせることに繋がる。ただし、そのイメージはその国のある一つの側面のものに過ぎないということも、深く自覚する必要がある。私は今回の研修を通して、実際に見て感じたカンボジアの姿を一人でも多くの人に伝えられるよう、発信していこうと思う。
大変満足
SDGsについて学びたい、人の役に立ちたい、将来の進路に活かしたい
視野が広がった!
勉強になった!
いい経験になった!
以前から海外ボランティアに興味があり、自分の視野を広げ、現地での貴重な経験を得て今後に活かしていきたいと考えたからです。
カンボジアボランティア研修を通して、様々な事を学ぶことが出来ました。1つ目は、今までカンボジアに対して抱いていたイメージと現地の現状とでは大きなギャップがあることに気がつくことが出来ました。今まで、ネガティブなイメージしか持っていなかったのですが、研修を通して、カンボジアの人の温かさや街が日々発展し続けていることを知ることが出来ました。また、学校では子供達の人懐っこさにとても感動しました。小学生に先生の立場で勉強を教えることは初めてだったので、戸惑うことや分からないことも多々あったのですが、子供達が反応してくれたり、声をかけてくれたことで段々と自信を持つことが出来ました。また、1人での参加で不安も大きかったのですが、研修を通して沢山の人と関わり、コミュニュケーションをとれたことが自分にとって価値のある経験となりました。
研修を通して、SDGsについて深く知ることができ、また自分自身が出来ることも見つけるこができたのでそれを今後行動に移していきたいです。また、言葉が通じない場所でのコミュニュケーションスキルや子供達に勉強を教えたことで得られた自信などをこれから先活かしていきたいです。
この研修を通して、とても貴重な経験を得ることが出来ました。悩んでいる方はぜひ挑戦してみてください。
会員様から頂いたメッセージは私達にとって何よりの励みになります!!
現地のスタッフさん方は、皆さんとても親しみやすく、約1週間という短い間でしたが、関わることが出来て本当に良かったなと思っています。改めて、心より感謝申し上げます。