『今回の経験を周りに伝えることでSDGsを広めたい!』
私が今回のカンボジアSDGs海外ボランティア研修に参加した理由は、実際の経験を通して、新たな自分 の視野を広げたいと思ったからだ。これまでは、カンボジア=国旗に描かれている世界遺産のアンコールワット遺跡、東南アジアの国のイメージしかなく、ほとんど知識がなかったのだが、事前学習や実際に体験したことにより、多くを学ぶことができた。
王朝時代の崩落後、1800年代後半、フランスの植民地となり、その後独立、1970年代のポル・ポト政権による大量虐殺やその後の内戦を経て、1990年代以降は立憲君主制国家として経済も発展途上にあり、国民の半数が約30歳未満の若い国である。歴史的背景やかつての大量虐殺の影響で、貧困や教育が不十分とのこと。SDGsの提唱する質の高い教育を受けることで、将来の可能性を広げていってほしいと思った。
私は、今回の研修で主に体験したり学びたいこととして、3つを決めていた。
1,教科書やテレビに出てくるアンコールワットの遺跡やシェムリアップ村の学校。人々の様子について、自分の目で見て確かめたい。
2、カンボジアと日本の文化や考え方(価値観)の違いについて考察し、仲間とのグループワークを通して交流を深めたい。
3、日本語や英語を子供たちに教えるボランティアをすることで、いつもは教わる立場だけれど、教える立場になることで、今まで体験したことのない経験をしたい。
これらを通して、普段では経験できないことを学ぶことができた。
1について、日本の小学校と比べて、違いの大きさに驚いた。屋外の教室は、屋根付きBBQ場のような作りになっていた。屋内もあるが、エアコンはなかった。スーパーは日本とあまり変わらなかった。主要な道路は舗装されているが、標識のみで、信号がなかった。主な交通手段はバイクとトゥクトゥクが8割で、残りはバスや車であった。アンコールワット遺跡は、すべてが石造りであり、900年前の歴史を感じさせる建造物であった。壁に刻まれた1つ1つの彫刻も美しかった。
2について、日本では、子供は親に守られ学ぶものだが、カンボジアでは、5歳くらいから働き手として生活していた。ナイトマーケットでは、小さな子供が「1つ1ドル、3つで2ドル」という日本語で、何度も話しかけてきた。外貨を稼ぐためにたくましく生きていると感じた。それに比べると、学校の子供たちは多少は裕福なようだが、教科書や靴を持っておらず、裸足やサンダルの子供が多かった。
3について、学校は午前と午後の2部制になっており、私は小学2、4年生を計6時間教えた。英語と日本語の授業があり、それぞれ授業中は新しい単語をいくつか教えるという形式だった。実際に授業をしてみて、子供たちは意欲的でほとんど全員が挙手して授業に参加していた。だからこそ、取り残されている子には気を配ったり、難しい言葉は通じないため、ジェスチャーで意思疎通をはかった。この経験を通して子供たちの学びたいという意欲に答えられるように、伝えていくことの大切さを学んだ。
私は、今回のカンボジアでの体験を、クラスの仲間や学校の人たちに伝えていきたい。また、私の話を聞くことでカンボジアでボランティアをしてみたいと感じる人が出てきてくれると嬉しい。そして、その人たちも体験を周りに伝えてほしいと思う。
これにより、「4、質の高い教育をみんなに」の達成に少しでも助力し、SDGsの輪が広がればよいと考える。