[ぼらぷらグローバル小論文]

小論文

『カンボジアでの医療と教育の現状』

(800~1500字でまとめていただく様式です。)

 ある日、目に留まったカンボジアでのボランティア活動の紹介動画をきっかけに私はプログラムへの参加を決めた。渡航する前は、カンボジアがどんな国なのか全く想像することができなかったが、現地での活動によってカンボジアがどのような国なのか知ることができた。今回の研修で感じたことを医療と教育の観点から述べようと思う。
 カンボジアは1974年末から約5年間続いたクメール・ルージュの統治時代に多くの人が亡くなったため、1979年には生き残った医師は50人以下となり、医療の面で懸念が残る形となった。現在は、アンコール病院をはじめとするいくつかの総合病院が市内に存在するが、それらは村に住んでいる人にとっては遠く、救える命が救えなくなるという問題がある。また、市内にある病院の数も十分とは言えないということを今回の研修中に訪れたアンコール小児病院で感じた。この病院では新生児から15歳までの子供たちを対象に、24時間体制の診療を行っていて、外来、入院病棟、歯科、眼科、新生児ケアなどを提供している。また、この病院では国内全域の医療スタッフの育成にも取り組んでいて、海外から招いた専門医による指導を受けることによって医療知識や技術を磨いていて、医療人の教育が徹底されていると思った。しかしながら、医師の不足により、一回の診療を受けるのに長いときだと8時間待機しなければならないという問題があることを知り、日本の医療体制がどれだけ進歩しているのかを感じた。
 ポル=ポト政権は極端な共産主義体制を理想に掲げ、知識人とされる教師を捕らえて大量虐殺を行った。このことにより、カンボジア国内の教育を担う人がごく少数となり、人々の教育に対する関心は薄れていった。特に、村に住む人々は自分の子どもを学校に通わせるよりも出稼ぎに行かせた方がよいと考える人が多かったそうだ。しかし、この考え方も近年では減ってきていて、ほとんどの子どもが小学校と中学校に通っているという。今回、村の小学校で先生として活動して感じたことは、子どもの勉強に対して意欲的だったことである。生徒に質問を投げかけると、みんなが発表しようと懸命に手を挙げてくれたことや学んだ日本語を使って自分とコミュニケーションを図ろうとしてくれたことが印象的だった。また、掃除の時間にみんなが手分けしてトイレやグラウンドをきれいにしていて、衛生面の教育もしっかりされていると感じた。
 今回のボランティア活動を通して、カンボジアの医療と教育の発展のためにできることを考えさせられた。それは、自分自身が学んだことをSNSを通じて発信していくことである。このことによって、カンボジアでのボランティア活動や募金活動に興味を示してくれる人が増え、カンボジアの発展に貢献することができると思う。さらに、発展途上国とされる国はカンボジア以外にも多くあるため、様々な国でこういった活動を行いたい。また、今回の研修中、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前ではないと感じる場面が多くあったので、自分が置かれている環境に感謝しながら人のために行動できるように頑張っていきたい。

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