『循環型社会の実現に向けて』
今、世界全体がこのまま今と同じような生活をしていくには地球が1.7個分必要だと言われている。これは人間が消費している自然資源の量による環境負荷を数値化したエコロジカル・フットプリントの値だ。国連によると、世界の人口は今後60年間で増加し、今世紀末には103億人に達すると推定されている。このままいけばやがて地球の資源は枯渇し、環境破壊どころか近い将来、エネルギーが枯渇する可能性が高いと予想される。では、限りある地球の資源、そして未来の地球を守る為にはどうしたら良いのだろうか。
まず、今の世界の現状を示したい。今のペースで消費し続けていくと、私達の生活に欠かせない資源である、石炭は139年、石油は54年、天然ガスは49年で枯渇すると言われている。また、食品ロス問題もかなり深刻だ。毎年、世界では食品ロスとして約13億トンの食品が廃棄されており、これは、毎年、食品生産量の3分の1を廃棄しているということを意味する。
SDGsの17の目標のひとつである、目標12は「つくる責任 つかう責任」だ。これは持続可能な消費と生産を構築していく為の目標だ。この目標のゴールである「資源の使い過ぎを解決する」を達成する為に目指すべき社会のあり方として、サーキュラーエコノミーという考え方がある。これは、製品や素材の価値を落とさずに循環させるという効率的な持続可能なあり方だ。
私は、この循環型社会を実現していく為に個人がすべき事として、2点の事を提案する。1つ目は、買う前にそれが本当に必要かどうかを吟味してから買う事だ。もしかした使うかもしれないと思ってお店で買ってから一度も使うことなく、ゴミとして捨てられるという事を減らしていく。これは廃棄物の量を削減するという点で大切である。2つ目は、不要になった物を廃棄する前にリユースを検討するという事だ。リユースとは、使用済みの製品を再利用するという事で、自分はもう使わないが、まだ使えるものをリサイクルショップ等に持っていくことで、ゴミとして廃棄されるのを防ぎ、他の人に使ってもらう事が出来る。これは資源の節約や保全につながり、また、製品の製造や廃棄に伴う二酸化炭素の排出を削減することも出来る。
私が、地球の未来を守る為に何よりも大切だと思う事は、一人一人が今の世界の危機的な現状について知ること。そして、「自分には関係ないから」や、「誰かがやってくれるから」と思うのではなく、常に持続可能な社会の実現に対して高い意識を持ち、ちょっとした些細な事でも少しずつ行動に移していくという事だ。