[ぼらぷらSDGs小論文]

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『海洋汚染ゴミを減らすために』

小論文

『海洋汚染ゴミを減らすために』

(800~1500字でまとめていただく様式です。)

 近年、海洋汚染が深刻化している。海洋汚染ゴミの8割が陸から発生し海に流出している。特に多いのが使い捨て用の包装容器である。ペットボトルやプラスチック容器などのプラスチックゴミは簡単には自然分解せず、浮遊を続け、海岸に押し寄せる。また、紫外線等の影響を受けるなどして、やがて小さなプラスチック粒子になる。5mm以下になったプラスチックはマイクロプラスチックと呼ばれ、海底に堆積している。ウミガメやアザラシなど、絶滅危惧種を含む700種類もの海洋生物が海洋プラスチックを食べ物と間違えて誤飲したり、海洋プラスチックが体に絡まったりして、傷つけられたり、死んだりしている。
 海洋ゴミはどこからくるのか?ポイ捨てをすることによって、街にゴミが散乱し、河川などから海へと流れ込んでしまう。僕は身近な課題として、ポイ捨てを防ぐには何ができるかを考えた。街に見かけなくなった公共のゴミ箱を設置するのはどうか。これには賛否の声があるの確かだ。みなさんは旅行や観光地でゴミ箱を探したことはないだろうか。僕は旅行に行った先で、食べ歩きをして出たゴミを捨てる所がなく、ゴミを片手に持ったまま電車に乗り、ホテルに戻るという不便さを感じた事があった。特に飲み物のカップのゴミは早く捨てたい。これは、コロナ禍が終わり日本に戻って来た外国人観光客も感じているらしい。観光庁が訪日外国人旅行者を対象に、旅行中に困ったことや持続可能な観光についてアンケート調査を実施した結果、もっとも困ったのはゴミ箱の少なさだった。具体的にはゴミ箱が近くに無かったの回答が多く、困った場所としては、観光スポットおよび観光スポットに向かう過程だと答えた。インバウンドの増大や食べ歩きという新しい文化への対応を見据え、行政も徐々にソーシャルサービスとしてゴミ箱を改めて整備していく動きが広がりつつある。
 しかし、ゴミ箱設置に対しては、公共のゴミ箱に家庭ゴミを捨てる人がいる。ゴミ箱がいっぱいに溢れて不衛生である。カラスが集ってくる。ゴミは持ち帰ろうという習慣ができているのに時代の逆行ではないかなどの意見もある。
 そこで、今注目されているのが、IoTを活用した次世代のゴミ箱である。このスマートゴミ箱はアメリカの企業が20年ほど前から開発に取り組んできたものである。その特徴は、太陽光で発電し蓄電を行い、ごみが溜まると自動で5分の1に圧縮。ごみの蓄積状況がオンラインで分かり、回収のタイミングだけでなく、分析も行うことができる。回収の回数と溜まったゴミの量が把握できることで、ごみを溢れさせることなく、適切な設置箇所と台数を見極めることができるようになる。これにより、回収頻度の低減とコスト削減ができる。回収頻度が減ることにより、ごみ収集作業の効率化を実現できる。また、ごみ収集車の燃料使用量を低減し、CO2排出量も削減することができる。
 すでに、スマートゴミ箱は各地で導入が進んでいる。京都の嵐山や広島の繁華街と尾道市、東京の渋谷にも設置されている。本格的な普及には一台50万円以上という設置費用もハードルになる。環境庁では、漁業者がボランティアで回収した海洋ゴミの処理費用を最大一千万円まで補助する制度を設けている。ならば、スマートゴミ箱を導入するための費用も補助できるのではないだろうか。
豊かな海を守るために、海にゴミが流れてしまう前の予防策として、スマートゴミ箱の導入が進むことに期待している。

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