私が今回のカンボジア海外ボランティアで注目したのが「トイレ」だ。オリエンテーションで紹介してもらった時、日本との違いに大変驚いたからだ。紹介してもらったトイレは和式で、隣に桶と水瓶があった。その水瓶に入っている水は茶色く濁っていた。水は何に使用するかというと排泄物を流すためだと言う。私は、カンボジアの衛生環境を心配した。排泄物が床に飛び散って、細菌に感染するのではないかと。そして、カンボジアのインフラが完全に整備できていないのではないかと考えた。
そこで、世界のトイレ事情を調べたところ、約20億人がトイレを使えない現実があると知った。泄物の細菌が原因で、免疫力の弱い子どもたちは下痢を発症し、1日に800人以上が、命を落としているのだ。私は、カンボジアの手動で流すトイレでさえ驚いたが、こんなにもトイレがなくて困っている人がいると知って、解決するべき問題であると認識した。
今回、SDGsを学び、これらの問題は17の目標のうち、6番の「安全な水とトイレを世界中に」に示されていることを知った。一見、私たち市民はこの問題の解決に貢献できないように思われる。しかし、SDGsに掲げられている17の目標は全て繋がっている。よって、SDGsは世界中の人々が認識し、小さなことから行動することが重要だ。例えば、食品ロスをなくすために、スーパーの訳あり商品を購入したり、消費期限の近いもの購入する。他には着られなくなった洋服を知り合いに譲ったり、洋服店にあるリサイクルボックスを使用することだ。このように私たちは先進国で恵まれた環境にいるからこそ、SDGsの支援する側に携わることができるのだ。
しかし、授業ボランティアで一番記憶に残っているのは子供たちの笑顔だ。どんな環境下でも好奇心旺盛な子供たちの存在はどの国でも変わらないものだと思った。毎授業、子供たちは楽しそうに授業に臨んでいた。そして、まるで「勉強を教えて!」を言っているような純粋な眼差しで私を見ていた。そんな姿を見て、私も全力で教えてあげようと意欲が湧いた。そんな愛おしいカンボジアの子供たちが、将来、幸せな人生を歩めるように私はSDGsを広めていく任務がある。