海外ボランティア募集！大学生・高校生・社会人にオススメ。春休み夏休みも通年開催。

　「先生！おはようございます。」
「ありがとうございました！」
画面越しでもわかる子どもたちの元気な挨拶と楽しそうな様子。日常の楽しさや幸せに国境はないんだと感じた瞬間だった。
　私が今回カンボジアボランティアに参加しようと思った理由は、私の教育力がどのくらいあるのかを知りたかったからだ。小学生の頃から周りに勉強を教えることが多く、上手だと褒められていた。しかし、それはあくまで同じ言語を話し、価値観が似ている人同士だからであり、育ち方が異なる人同士となるとそれこそ実力が物を言う。だからこそ、今回のボランティアで、私はどこまでの力を持っているのか知りたかった。そして準備期間を終え迎えた当日。グループメンバーは、1年生の時からの顔なじみであり、信頼関係がすでに出来上がっていたため、安心して本番に臨んだ。
　「先生！おはようございます！」
子どもたちの元気な挨拶と満開の笑顔で授業はスタートした。私達の指示に従い、授業は進んでいく。グループメンバーが、話している間私は子どもたちの表情を見ていた。
「どの子も真剣な目をしていて、でも楽しそうに取り組んでくれているね。」
メンバーの一人が呟いた。まさにちょうど私も感じたことだった。90分という長く集中力が必要な中、子供たちは切れることなく授業を受けてくれていた。素直に凄いことだ。日本の同じ年の子供は45分でもギリギリだろう。実際に私も集中力が続いていた科目は少なかったように思う。少しの知識も漏らしたくないというように、私達の授業についてきてくれていた。そんな彼らの熱意につられ、私達の授業も熱が入ったことは言うまでもない。なぜ彼らはそこまで集中力が続くのか。それは彼らが将来どうなりたいのかはっきりとしているからだろう。目標が決まっていれば努力する方向も決まってくる。だからこそ
「目標を決めなさい。」
何十回と聞かされた言葉だ。まさにその言葉が体現されていた。日本の同い年と、カンボジアの同い年それぞれに将来の夢を聞いたときどちらのほうが答えられるのか。きっとカンボジアの子供たちのほうだろう。それがいいのか悪いのか。私はどちらの面も持ち合わせているように思う。夢が決まっているということはやるべきことが見えているという事。だからこそまっすぐに走っていける。逆に夢がないからこそ、様々な視点を見ることができ、経験が増える。どちらも成長には欠かせない要素だ。だからこそ片方だけでなく、一度そこから離れ俯瞰してみること。小さなことでも目標を見つけてみること。両方ができる教育環境ができれば最も理想に近いものになる。
　私は将来の目標は、はっきりしていない。高校生になりただただ
「○○になりたい！」
と、無計画に宣言することはなくなったように思う。現実的には…金銭的には…というように様々な要因で気になったものの挑戦するのか、戸惑う場面も増えた。しかし、今回のボランティアを経験し、子供たちのきらきらした笑顔やまっすぐと前を向く力強さに圧倒され、前から気になっているものに手を付けてみようか、現実になるように努力してみようかという気持ちにさせてもらえた。
私が諦めない力をもらったように、世界中の子供たちに夢や経験を与えられる、そんな存在になりたいと強く思えた有意義な経験だった。