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ガバナンスとは、いわゆる「統治」という意味です。最も一般的に知られているのは「コーポレートガバナンス」という言葉だと思います。これは企業統治という意味であり、規模の大きな会社が彼らの傘下にある小中企業を監視しまとめる、といった内容です。このコーポレートガバナンスの主な目的は、企業の不祥事を減らすことと、企業の収益力を高めることにあります。
資本主義である日本の経済状況において、株式会社が大きな地位に君臨していることは明白ですが、その活動は株主を始めとした消費者や債権者などに大きな影響を与えます。さらに多国籍化が進むとその影響力はより一層多大なものとなり、影響を受ける範囲は自ずと広がります。この際最も問題となるのは、株式会社と株主との利害関係についてです。株式会社は会社の影響力を気にしますが、株主は株価の上昇を気にするのです。所謂株式会社が求めるのは企業の利益、株主が求めるのは個人の利益というわけです。ここで私利私欲の方向性が正反対であるという組織上の根本的な問題や、わずかなことから起こりうる矛盾を最小限に抑えることで、株主らの要求にも応えつつ、本来の企業目的である、富を生み出すということを効率的に行えるようにし、さらには社会の発展に努めることを目的に運営することができます。これが企業統治の目的なのです。
ガバナンスは、ガバメントという言葉と混合して捉えられがちですが、ガバメントとは政府などの法的拘束力をもつ人が、上の立場から行う統治システムのことであり、一方ガバナンスとは利害関係を持つ多くのアクターが主体的に関与するシステムのことで、似たような言葉ですが、意味が対照的なので注意して用いなければなりません。
ガバナンスは、「ガバナンス問題を協議する(統治に関する問題について話し合う)」や、「組織としてのガバナンスが全く働いていない(組織における統治システムが全く働いていない)」などといったように用いられます。大手企業のサラリーマンなどであれば確実に知っている言葉だと言えるでしょう。