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コモンズの悲劇
Tragedy of the Commons

多くの人が共有している資源が乱獲された結果、資源が枯れてしまう経済学の法則のことです。

コモンズの悲劇は多くの人が共有している資源が乱獲された結果、資源が枯れてしまう経済学の法則のことです。別名として共有地の悲劇とも言われており、1698年、ギャレット・ハーディンという生物学者が論文で発表したことで世間に知られるようになりました。

例を挙げると、共有地である牧草地で牛等を放牧します。自分が持っている牧草地なら、草が無くならないように牛の数を調整するでしょう。しかし共有地の場合、他の農民が牛をどんどん増加させる場合があります。結果、自分の牛が草を食べられなくなる可能性が出てきます。そのため自分も利益を得たいのでどんどんと牛を増やし、それを見て他人も牛を増やす等の悪循環が生まれ、結果として牧草地から草は無くなってしまいます。それがコモンズの悲劇と呼ばれる状態です。しかし全ての人が滅ぶわけでも無く、最後まで生き残る農民も出てきます。すると共有地だった牧草地は独占される事になります。このような例を経済に当てはめると、不当廉売競争が起きる事によって市場が崩壊するが、その後に独占市場が生まれるような過程が同じことになるでしょう。

同時にコモンズの悲劇は、地球の環境問題についてもあてはまります。地球は、誰か一国や一民族、あるいは、一人の人間の持ち物では無くて住んでいる誰の物でもある共有地です。しかし誰しもが他人の事を考えずに、自分の事ばかりを考えていると地球環境は悪化します。そして資源もどんどん減って行くことになるのです。
コモンズの悲劇が発生する条件として、オープンアクセスがあります。誰もが無料で利用出来ますので多くの牛により牧草地が荒らされてしまうのと同じようなことが起きます。対策として、行政政策として利害関係者等に有償で所有権や独占権を与えて管理させる方法が取られています。その場合、誰もが無償で得られる事が出来る共有な物ではなくなりますから。コモンズの悲劇を無くすことができるのです。例えば、電波に関しても同じようなことがいえます。電波を使用する許可を国が出し、電波使用料を徴収する事で、市場崩壊を防ぐことができます。大気の汚染や水質や土壌の汚染に関しても、汚染を防止する法律を制定することによって防ぐことができます。

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