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不発弾とは、戦争中に使用された爆弾が不具合などで爆発せず、そのまま地中や地表に残ったものを言います。爆発していないので、何十年たった今も爆発する可能性があり、非常に危険なものです。不発弾とは、爆弾だけではなく、地雷も含まれます。
不発弾は、世界中の戦争や紛争があった地域に近年でも残されたままになっており、その処理が各国の懸案事項となっています。不発弾が頻繁に発見されるのはベトナム戦争があったインドシナ半島、今も各地で紛争があるアフリカ、そして、アメリカが空爆を行ったアフガニスタンやユーゴスラビア、戦争があったイラクなどです。インドシナ半島では、ベトナムやラオスではクラスター爆弾の不発弾が問題になっており、長い間内戦があったカンボジアでは地雷が今も無数に埋められています。クラスター爆弾とは、大きな弾体の中に小さな爆弾がいくつも詰め込まれた爆弾で、弾体が破裂すると内部の小型爆弾が外に出て爆発する仕組みになっており、広範囲を瞬時に攻撃することができることから、紛争地域で多用されました。アフガニスタンでは1980年代に旧ソ連が侵攻した際におもちゃの形をした爆弾がばらまかれました。これは、蝶や花の形をしたかわいらしいもので、子供が手に取ると爆発し、手が吹き飛ばされるなどの被害が続出しました。
世界中に無数に残るといっていい不発弾を処理するために、その地の政府や各国にある専門のNGOが地道に活動を行っています。1998年の長野冬季五輪で聖火ランナーとして登場したのは、各地で不発弾処理の活動をしているクリス・ムーンさんでした。彼は、NGOヘイロー・トラストの一員としてカンボジアとモザンビークで主に地雷処理を行っていて、モザンビークで活動中に触雷してしまい、右手と右足を失ってしまいました。聖火ランナーとして登場したときは義足でした。不発弾が残っているような場所は内戦や紛争があったような地域が多いので、そこに住む人々、そしてそこを治める政府はほとんどが貧しく、処理するための予算を出すのも難しいところが多いのです。ですから、世界各国のNGOや民間団体の支援に頼らねばならなければならないのが現状です。