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途上国に新たな技術を導入する際に使われる言葉です。先進国で使用している技術をそのまま途上国に導入した場合、施設や整備の不足、人びとの知識の不足、市場規模の違い、気候条件の違い、エネルギー事情など、様々な理由でその技術が有効に使用されないことがあります。当該技術の前提となっている先進国の経済や技術環境と途上国の経済・技術環境の間に違いがあるために、先進国で有用なものが途上国では機能しないということが生じるのです。途上国によっても環境は異なるので、新たな技術を導入するときは当該国に合わせた形で導入すること、もしくは、当該国の条件・環境に合致している技術であるかを見極めることが重要です。
これまでに普及したテキセイギジュツの例として、以下の様なものがあります。
・ ノートパソコンの例:「1人の子供に1つノートパソコンを」というスローガンで開発されたノートパソコンがあります。これは、低価格で、電気も余り使わない、頑丈な、インターネットにも接続できるというものを貧しい国や地域の子供たちに使ってもらいたいという思いから作られました。
大きさは教科書と同じくらいで、無線通信ができて、屋根のない教室のような日光下でも視認性を損なわない、省エネ設計の優れたノートパソコンです。当然、横流し等の不正使用が考えられますので、それを防ぐために子供向けのデザインにするなどの対策もとられています。このノートパソコンは、アフガニスタンやアフリカの一部、パレスチナなどで、すでに使われています。
・ ロケットストーブ:ロケットストーブは、燃焼効率の高い構造をしたストーブで、先進国でも使われています。発展途上国などの燃料は、樹木などを使うことが多く、それが自然破壊になっている例も少なくありません。燃焼効率の高いストーブを調理、暖房などに使うことで、少しでも使用する樹木などの量を減らそうという考えから作られた独特なデザイのストーブです。
・ 太陽光発電で灯すLED電球:世界には、電気の通じていない地域がまだまだたくさんあります。この太陽光発電LED電球は、昼間の太陽光エネルギーを電気エネルギーにかえて、内臓のバッテリーに充電することができます。満充電すると、約4時間点灯することができます。たった4時間ですが、夜の明かりとりに使う樹木などの量を減らせるので、その分を調理などに振り分ければ、自然破壊を防げるばかりでなく、薪取りの労働も少しは軽くなります。
以上、いくつかの国際貢献に関する適正技術の例をあげてみましたが、これ以外にも壺の冷蔵庫やとうもろこしむき機、自転車を使った揚水機などたくさんの発明品があります。