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BOPとは Base of the Economic Pyramidの略称であり、BOP層は世界で40億人、市場規模は5兆ドル(約500兆円)といわれています。BOPビジネスへの進出は、欧米諸国の企業に多いですが、日本企業の数は少ないです。
1998年にアメリカのミシガン大学教授のプラハラード氏らが発表した研究報告からBOPビジネスが注目されるようになりました。改めて、BOPビジネスとは、世界の所得階層の人口分布をピラミッドに見立て、その底辺層を対象とするビジネスのことです。途上国のBOP層が抱える水不足や衛生問題、貧困問題などの解決に貢献し、同時にその解決に見合う商品やサービスを安価に提供することでWin-Winの関係を構築できるこのビジネスに欧米企業は早くから目を向け、アジア・アフリカ・ラテンアメリカへと進出しました。
海外企業の一例として挙げると、洗剤やヘアケア商品でおなじみのユニリーバはインドにおいて、現地の農村女性をトレーニングし、雇い、小袋で安価な洗剤やシャンプーなどを販売させたのです。これは現地の衛生問題と地域の雇用促進にもつながった成功例です。また進出している企業は少ないですが、日本企業にも成功例があります。住友化学がマラリア予防用に殺虫剤を練りこんだ糸を使った蚊帳を開発しアフリカの国々に提供したことで、WHOから高い評価を受けました。また、タンザニアで生産を行うことで7000人の雇用を創出し、現地の雇用問題の解決に貢献しました。また日本ポリグル株式会社は水質浄化剤の製造を行っている大阪の中小企業で、水質浄化剤を活用してバングラデシュの安全な飲み水の普及に取り組んでいます。
こうした成功事例が日本企業には多くみられますが、まだまだ海外に比べてBOPビジネスへの参入が遅れているのは事実です。海外のような官民一体となった連携が弱いなど様々な課題や問題点があります。BOPビジネスのメリットは、国としては海外への経済協力の存在感が増し、民間企業としては新たな市場の獲得や事業のイノベーションの機会を得ることができる点が挙げられます。中小企業にとっては海外進出の契機となります。また途上国から見れば、雇用などの貧困問題の解決や地域経済の活性化が期待でき、まさにWin-Winの関係が構築できる画期的なビジネスがBOPビジネスなのです。