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国際協力用語集ワード詳細

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予防接種拡大計画
Expanded Pragram on Immunization / EPI

1974年にWHOとUNICEFが協力して開始した、予防可能な感染症から世界中の子どもを守るためにワクチン接種を推進するプロジェクトです。

予防接種拡大計画(EPI)とは、1974年に世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)が協力して開始した、予防可能な感染症から世界中の子どもを守るためにワクチン接種を推進するプロジェクトです。
当初、5歳以下の乳幼児にとって最も危険な死亡原因であった、結核、ポリオ、ジフテリア、破傷風、百日咳、麻疹がワクチンの対象に選ばれました。結核のワクチンはBCGです。その後、1984年にはWHOがEPIのために基本的なワクチン接種計画を立てました。安価で効果的なワクチンの確保、ワクチンの製造流通システム(コールド・チェーン)の整備、事業の実施やモニタリングに携わる人材の育成、予防接種の知識の普及などがその内容です。ネパールのコールドチェーンを確立するためには日本の政府開発援助(ODA)が使われ、冷蔵庫、冷蔵室、クーラーボックス、発電機などが全国レベルで整備されました。EPIの開始当時には5%だった接種率が1990年には70%に達し、2005年には75%を超えました。EPIのひとつであるポリオに関してはWHOが1988年に根絶宣言を出し、2000年までに野生株によるウイルス感染患者を継続して3年間0にするという目標を掲げましたが、まだ根絶にはいたらず近年でもその努力が続いています。2006年には当初の6種類のワクチンに加えて、B型肝炎ワクチンの接種が世界164カ国で始まり、104カ国ではインフルエンザE型菌(Hib)ワクチンの接種も始まりました。また、新生児破傷風を予防するために妊婦に破傷風ワクチンの接種も行っています。さらにEPIプラスとして、予防接種時に費用対効果の高いビタミンA製剤の投与など母子保健サービスが行われています。
これらのワクチン接種によって、年間300万人の子供の命が救われていると推計されていますが、2012年の場合5歳以下でワクチンを受けられなかった子どもは20%にもなります。また同年の5歳以下の死亡数は660万人ですが、その3分の1はワクチンを接種していれば助かっただろうと考えられています。ワクチンの接種率は地域差が大きく、国内の貧富の差が接種率にそのまま反映したりと問題は山積しています。また発展途上国では接種率を水増しして報告しする例があり、正確な接種率を知るためにWHOは役所や病院などの報告書に頼るだけでなく、その地域と利害関係のない独自の調査員を派遣し、サンプリング調査も行っています。

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