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グラミン銀行とは、バングラデシュに存在する銀行のことで、マイクロファイナンスを行っている機関です。マイクロファイナンスとは小規模融資のことであり、土地を持たない人など貧困層の人々を対象に、主として低金利な無担保融資が行われています。
グラミンというのは、「村」を表すベンガル語(gram)に由来していて、その名が表す通りグラミン銀行が行う活動は全て農村中心です。グラミン銀行はバングラデシュのダッカを本部とし、1983年にムハマド・ユヌスによって創設されました。創設のきっかけとなったのは、1975年に起こったバングラデシュにおける大飢饉です。農村地帯に暮らす貧困層の人々は、高金利で高利貸しにお金を貸してもらい、返せなくなって一層貧困に苦しむことになるという悪循環に陥っていました。それを目にしたムハマド・ユヌスが、お金をわずかに持ってさえいれば、たくさんの人々が貧困状態から抜け出すことができると考えて、マイクロファイナンスを作り出したのです。つまり、グラミン銀行が行っているマイクロファイナンスとは、貧しい暮らしをしている人々にお金を貸して、貧困状態から抜け出すための支援手法です。この銀行からお金を借りた住民は、そのお金で高利貸しの借金を返すことが可能になっただけではなく、銀行からの支援を受けることによって、小規模のビジネスを始めることができるようになりました。小規模のビジネスとは、材料になるものを購入して、それに加工を施して販売するといったようなことを含みます。
グラミン銀行では、貧しい人へ貸したお金をしっかりと返してもらうことを可能にする仕組みが存在しています。お金を借りたいと希望する人には、貸付金をもらうために5人で構成されるグループを形成しなければなりません。そして、そのグループのメンバー相互間で、しっかり返済が進むように確認し合うという仕組みになっているのです。こうしたグループのメンバーになると、毎週ミーティングへの参加を通して、「16の決意」と呼ばれる事項について学ぶことになります。16の決意というのは、子供達に適切な教育を施すこと、清潔に生活を送ること、助け合いを行うことなどが盛り込まれています。グラミン銀行から貸付金を受けているのは女性が殆どであるという特徴があります。貯蓄意欲が高い女性は、貸付金を自分自身よりも自分の家族に使用します。グラミン銀行を活用している女性が貯蓄をすることを通じて、子供に学ぶ機会を与えることも可能になりました。