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オーナーシップとは、主体性や所有者といった意味の単語ですが、国際協力の文脈では開発援助を受ける途上国が自国の開発・発展に対して主体的に取り組むという意味で用いられています。
先進国が一方的に援助をしても、うまく活用されていない例が報告されたり、欲しいものはお金ではなく人材や教育といったソフト面の場合もあるため、何をどういう風に援助するか、援助金を有効利用するためにいかに配分するかという点が課題としてあげられます。
西欧諸国を始めとする先進国からの援助は、条件をつけて行われることが多く、それが途上国側のオーナーシップを押さえつけてきたという反省があります。2000年代に入ってからは、途上国の人たちが自分たちで考えてどういう風にしてきたいのか、そのためにはどうしたらいいのかを主体性を持って考えるのをサポートするというスタンスに移行しつつあります。
途上国主導で計画援助を作成してその計画に基づいて実施され、望んだ結果を出してもらうのであれば、モニタリングをして研究成果をまとめるだけで済みますし、途上国側は次に何をすればいいのか、他に必要なものは何かをきちんと考えるようになります。
特に国際援助の問題点として、縁故経済と呼ばれるクローニーエコノミーがはびこっており、援助金が一定の富裕層のみに配分され、本当に援助が必要な人たちまでいきわたっていないという指摘もなされており、先進国が実質的なオーナーシップを握ってきたことの弊害が出てきています。
オーナーシップという考え方を採用することにより、説明責任を明らかにし、ベストな成果をもたらすためのマネジメントを行うことになります。援助される側と援助する側といった構造を脱して、立場が対等なパートナーとして意見交換することができるようになることで、効果的な援助が行われることが期待されています。