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スラムは都市部で貧民層が集中して住んでいるエリアです。他のエリアで通常、受けられる公共サービスが無く荒廃しているのが特徴と言えます。世界の中で大都市と呼ばれるエリアのほとんどに存在している状況です。現在でもスラムに居住する人々は増えており、国際連合人間居住計画の統計では、21世紀初頭時点で十億人居るという結果が出ており、2030年には二十億人に増加するとも言われています。
スラムに住んでいる人間に共通する特徴として職を持っていないことが挙げられます。その為に貧困が背景となっている犯罪が多発しており、麻薬やアルコール依存者も多いです。将来への諦観等によって自殺者も多発しているだけでは無くて、衛生状況が非常に悪いために伝染病の発生率も高くなっています。
元々は農村部等に住んでいたけれど、職を求めて都市部に居住した人々が多いのですが、労働力が過剰に増加する事によって職にあぶれてしまい、行き場を失った方が多いです。それでも居住しなければならないので、開発がされていないエリアに住み着くのですがその結果としてスラムが形成される流れとなっています。
計画的に居住区が建設されている訳ではありませんから、建物と建物が密集しており道が細くなっていることが多いです。そのために災害等が起こったとしても、救急車や消防車等が通る事が出来ないので犠牲者が増える傾向にあります。その為に生活環境がますます悪化する状況に拍車をかけている等の悪循環が生まれているのです。同様にゴミ収集車等も通れませんからエリア全体でゴミが放置されてしまうことも多く、その為に伝染病等が発生するリスクを高めているのと同時に、中にはゴミが大量に溜まる場所の近くに居住して、その中からまだ使える物を探し出して生活をしている人が居る事も病気を蔓延させる原因の1つになっています。
スラムが解体させる政策や活性化によって問題解決の契機にする事も考えられて来ましたが、ほとんどの場合は上手く機能せずに立ち消えになることも多いです。例えばスラムに多くの人が住める集団住宅などを建築して問題解決を図ろうとしても、一定の成果を得られる事もありますが結局の所、根本にある雇用問題が解消されないので何も変わらない例も多くあります。
ただ全部が全部悪いことばかりでも無く、都市インフォーマル部門が生まれる事もあります。雇用が無い為に元手がかからない仕事を自分達でひねり出すことによって新しい分野の仕事が成長した例もあります。